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2021 Fiscal Year Research-status Report

感染制御と骨再生を同時に可能とするハイブリッド型骨補填材による顎骨骨髄炎治療戦略

Research Project

Project/Area Number 21K10095
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

高丸 菜都美  徳島大学, 病院, 講師 (40513031)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福田 直志  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
宮本 洋二  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
秋田 和也  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (70876028)
石川 邦夫  九州大学, 歯学研究院, 教授 (90202952)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords炭酸アパタイト / 多孔体
Outline of Annual Research Achievements

顎骨骨髄炎は骨硬化により局所の薬物濃度を十分上げられないため、薬物療法のみでの完治は難しく外科的に骨切除を行うことが多い。さらに骨切除を行ったにもかかわらず、後に再燃する難治例も多い。研究代表者らは、優れた骨伝導性と骨置換性を有し、迅速な骨新生を可能とする炭酸アパタイト多孔体(P-CAp)を既に開発しており、本研究では、このP-CApに薬物徐放性を付与することで、難治性顎骨骨髄炎治療への応用を目指す。すなわち、P-CApに骨髄炎の原因菌に対する抗菌薬を含有させることで、①抗菌薬を局所に徐放しつつ、②治療で失った顎骨のすみやかな再建を可能としたハイブリッド型バイオマテリアルを開発し、その有用性に関して顎骨骨髄炎動物実験モデルで検証する。
研究代表者らは炭酸アパタイト(CAp)の骨置換性を向上させるために、2種類の方法で多孔化することにも成功している。一つは、前駆体であるCaSO4の中にナイロンファイバーを混入して硬化させ、ナイロン繊維を焼却することで気孔を付与した前駆体を作製し、これをCApへ変換する方法である。もう一つは、CaSO4やCa(OH)2をバインダーと練和し、押出成形機を用いて金型を通して「ところてん」のように押し出すことによって、一方向性連通気孔を有する前駆体を作製し、これをCApに変換する方法である。しかし、前者は多孔体の気孔の分布が不均一であり、後者はCOVI-19 の影響で出張が困難で作成しに行くことが困難となり、他の手法で作製するCAp多孔体(P-CAp)が必要となった。そこで、ポリウレタンフォームを用いP-CApを新たな手法で作製することとした。前駆体であるCaSO4のとポリウレタンフォームを混和して硬化させ、ポリウレタンフォームを焼却することで気孔を付与した前駆体を作製し、これをCApへ変換する方法である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

炭酸アパタイト多孔体の作製の手法を、当初はファイバーを用いた方法や、押出形成機を用いて作製する既存の方法を使用する予定であった。しかし、前者の場合、ファイバーが均等に配置されないため、作製したディスク個体にばらつきが生じたため、今回の研究で用いるのには不適と判断した。また、押出形成機での作製は九州大学で行うようになるが、コロナ禍で他大学への出張がなかなか厳しい状況であった。そのため、新たな手法を確立するところから研究を開始することとなり、予定の研究計画より遅れをとっている。

Strategy for Future Research Activity

抗菌薬含有P-CApの調製を以下の手法で調製する。
①抗菌薬浸透法:a) P-CApの抗菌薬溶解液への浸漬法、b) 減圧法、c) 遠心浸透法の3実験を行い、重量法による抗菌薬含浸量を計測し高容量の抗菌薬を含有する手法を採用する。抗菌薬徐放濃度については、経時的蛍光偏光イムノアッセイ法により測定を行う。
②抗菌薬混合高分子の調製およびP-CApへの封入:P-CApの気孔内へ抗菌薬を徐放する高分子を封入する。使用する高分子として、生体為害性がなく臨床応用されているアテロコラーゲン、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を候補とする。それらと抗菌薬を配合しP-CAp気孔内部へ注入する。注入方法は、減圧法、遠心法を用いる。作製された抗菌薬含有P-CApについて走査型電子顕微鏡による微細構造の観察を行い、2)-①と同様に抗菌薬徐放試験を行う。

Causes of Carryover

コロナ禍で九州大学への研究打ち合わせの出張が困難であったこと、ファイバーを用いた方法や押出形成機を用いた多孔体ではなく、他の作製方法で多孔体を作製したことで予定より少額でまかなえたため、次年度に622,583円繰り越すこととなった。次年度は動物実験等も行う予定であり、動物飼育関係費、取り出した試料の解析にかかる費用が必要になると予想されるため、次年度研究費とあわせて使用する計画である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) Presentation (8 results)

  • [Journal Article] Association of PD-L1 and ZEB-1 expression patterns with clinicopathological characteristics and prognosis in oral squamous cell carcinoma2022

    • Author(s)
      Takamaru Natsumi、Fukuda Naoyuki、Akita Kazuya、Kudoh Keiko、Miyamoto Youji
    • Journal Title

      Oncology Letters

      Volume: 23 Pages: 1-8

    • DOI

      10.3892/ol.2022.13195

  • [Presentation] マイクロファイバーを用いた多孔質炭酸アパタイトの開発とウサギ頭蓋骨における組織学的評価2021

    • Author(s)
      秋田和也,福田直志,椋本修平,鎌田久美子,髙丸菜都美,工藤景子,栗尾奈愛,宮本洋二
    • Organizer
      第75回 NPO法人日本口腔科学会学術集会
  • [Presentation] 嚢胞摘出後の骨欠損を炭酸アパタイト製骨補填材で即時再建した1例2021

    • Author(s)
      福田直志,髙丸菜都美,秋田和也,椋本修平,工藤景子,宮本洋二
    • Organizer
      第66回 日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [Presentation] 炭酸アパタイト顆粒と魚うろこコラーゲンの複合化による新規骨補填材の開発,2021

    • Author(s)
      工藤景子,福田直志,秋田和也,工藤隆治,椋本修平、髙丸菜都美、栗尾奈愛,鎌田久美子,宮本洋二
    • Organizer
      第66回 日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [Presentation] 炭酸アパタイト顆粒(サイトランスグラニュール)を用いて歯槽骨造成を行った2例2021

    • Author(s)
      秋田和也,福田直志,鎌田久美子,上杉篤史,山村佳子,工藤隆治,髙丸菜都美,工藤景子,栗尾奈愛,高橋章,宮本洋二
    • Organizer
      第68回 NPO法人日本口腔科学会中国・四国地方部会
  • [Presentation] 炭酸アパタイトハニカムブロックを用いたベニアグラフトの実験的検討2021

    • Author(s)
      福田直志,秋田和也,髙丸菜都美,工藤景子,宮本洋二
    • Organizer
      第25回公益社団法人日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会
  • [Presentation] 炭酸アパタイト製骨補填材による広範囲骨欠損の即時再建2021

    • Author(s)
      福田直志,秋田和也,椋本修平,髙丸菜都美,工藤景子,宮本洋二
    • Organizer
      第51回 公益財団法人日本口腔インプラント学会学術大会
  • [Presentation] 炭酸含有量の異なる多孔質炭酸アパタイト顆粒の開発2021

    • Author(s)
      秋田和也,福田直志,椋本修平,髙丸菜都美,工藤景子,都留寛治,石川邦夫,宮本洋二
    • Organizer
      第51回 公益財団法人日本口腔インプラント学会学術大会
  • [Presentation] 炭酸アパタイト顆粒(サイトランスグラニュール)の歯槽骨造成術およびソケットプリザベーションへの応用2021

    • Author(s)
      秋田和也,福田直志,髙丸菜都美,工藤隆治,工藤景子,栗尾奈愛,高橋章,宮本洋二
    • Organizer
      第50回 日本口腔外科学会中国四国支部学術集会

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Published: 2022-12-28  

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