2021 Fiscal Year Research-status Report
生体活性形状記憶樹脂によるダイナミックフレーム装置を用いた新たな顎骨再建法の開発
Project/Area Number |
21K10131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 健介 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10364150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜沼 英郎 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30273303)
清水 良央 東北大学, 歯学研究科, 助教 (30302152)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨膜伸展骨形成法 / 骨延長 / 骨増生 / ダイナミックフレーム |
Outline of Annual Research Achievements |
形状記憶特性を持つダイナミック・フレーム装置(DFD)としてポリエチレンテレフタラート(PET)を基剤とした筒状の装置をデザインし、厚さとして75, 100, 125マイクロメートルの3種類、また外形の大きさの検証を行った。筒状のDFDにスリットを入れ、形状の螺旋形上の形態変容させることで、形状回復に伴う動的伸展作用を確認し、その回復力と回復形状を検証した結果、ラット大腿骨を対象とした場合は直径6mm、厚さ100マイクロメートルが適正であることが判明した。ラット大腿骨周囲に螺旋形状DFDを設置し、一端を金属スクリューで大腿骨に固定し、DFDを圧着させ生体吸収性糸(ポリグラクチン)で固定して一定の待機期間後に伸展刺激を加える動的モデルと、圧着固定を行わない静的モデルを設定し、実験を行った。術後5週目で試料採取を行いマイクロCTにて骨形態評価を行った。いずれも大腿骨-DFDの間隙形成を認めたものの、DFD下での骨新生は認めずに、大腿骨表面からの新生骨を認めた。また、DFD中央部よりもDFD断端部にて良好な骨形成を認めており、DFDによって伸展された骨膜および軟組織の外方伸展スペースが骨形成に寄与したことが判明した。現在、組織学的検索を行うとともに、DFD中央部での骨形成を目的としたDFDのデザインの修正と試適伸展力の設定を再度検討しており、より良好な骨形成能を獲得する実験系を模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動的DFDの製作工程の確認が行われ、装置の安定供給がはかられている。ラット大腿骨での実験ではDFDの異所反応はほとんど認められず、生体内使用での安定性が確認された。しかしながら、当初予定されていた装置全体での骨新生は確認できなかったことから、装置のデザインを見直す必要に迫られているものの、初期の実験結果からの装置の調整や再設計は実験計画の想定内であり、研究分担者と協議しながら進めている。今後は、動物実験の継続と画像・組織評価を進めつつ、血管柄周囲での使用を目指して研究を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているラット大腿骨でのDFDを用いた骨膜伸展骨形成法を継続実験しつつ、DFDの外形を再設計して骨形成の安定化をはかる予定である。そして、DFDの規格が最終決定したところで、ラット大腿動静脈周囲に、DFDを設置し、太さの異なる生体吸収性糸で縫合収縮させ、DFD内部に骨細胞および骨芽細胞、骨形成因子を封入させる実験に取りかかる予定である。使用する骨細胞および骨芽細胞の細胞の供給プロセスを検証するとともに、使用する骨形成因子の決定を行い、ドナーサイト侵襲を最小限にしたprefablication bone flapの開発を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、学会現地参加や情報交換・収集に関わる国内外出張がなかったことから次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)