2021 Fiscal Year Research-status Report
ムコ多糖症患者に生じるガーゴイル様顔貌の発症メカニズムの解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K10136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 一祐 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40599932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 典昭 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30599931)
八十田 明宏 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 臨床研究センター長 (50378642)
山中 茂樹 京都大学, 医学研究科, 助教 (80637596)
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ムコ多糖症 / CNP / 顎変形症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ムコ多糖症(MPS)はリソソーム内のムコ多糖加水分解酵素の先天的欠損によりグリコサミノグリカンが蓄積し,低身長や全身の組織の肥大化,機能障害などを生じる進行性の疾患である.顎顔面形態においては,平らな鼻や眼間離開,厚い口唇などを特徴とする特異様顔貌を認めることで知られている.今回われわれは,ムコ多糖症モデルマウスを用いて顎顔面解析を行い,顎顔面形態異常について検討を行った。 ムコ多糖症モデルマウスと野生型マウスの12週齢のμCT画像を用いた。μCTデータの解析はRichtsmeierらによって報告された計測点を用い、6つの距離計測項目を設定し計測を行った。また、Arronらによって報告された頭蓋骨上に27個の計測点および下顎骨上に22個の計測点を用い、これらの計測点の平均三次元座標を使用するEDMA法(Euclidean distance matrix analysis)を用い、顎顔面計測を行った。解析結果ではムコ多糖症モデルマウスにおいて上顎骨を中心に矢状方向への有意な劣成長を認めた。反対に,頭蓋骨幅径はWTマウスと比較し大きかった.ヒトと同様に,ムコ多糖症モデルマウスにおいても顎顔面形態異常を認めた。今後は顎顔面形態異常が生じたメカニズムについて、中顔面の成長に重要とされている蝶形骨間軟骨結合部(ISS)と蝶後頭軟骨結合部(SOS)を中心に組織学的検討解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭蓋骨の形態計測によりムコ多糖症モデルマウスでも顎顔面形態異常が生じていることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はムコ多糖症モデルマウスの軟骨結合部の解析や軟骨細胞培養などを行うことにより、発症メカニズムを明らかとしていく。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で一時、研究が滞っていたため
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