2021 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病の予防法確立を目指した経年的口腔内細菌叢変化と生活習慣病の関係解明
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21K10202
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 恒 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50234860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 はるか 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (60816594)
秋山 なつみ 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (80867375)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 口腔内細菌 / PERMANOVA / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 歯周病菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度のデータ収集のため健診事業(岩木健康増進プロジェクト)は新型コロナ感染症の拡大状況により5月開催が11月中旬に変更になり開催された.そのため口腔細菌に関するデータは現在解析中であり現時点で使用できない.また,感染拡大の懸念から会場での口腔細菌数の測定は出来なかった.そのため過去にデータを用いた研究をおこなった. 生活習慣病の中からメタボリックシンドロームの肝臓での表現型として考えられる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者について検討した1148名(男性455名、女性693名)を対象とした。その中でNAFLDは207名であった。全ての健診参加者の舌苔から口腔内細菌を採取し、次世代シークエンス解析により菌属まで特定し全体の細菌数に対する比を求めた。そして細菌比とNAFLD発現との関連性について統計学的に検討した。統計方法は単変量解析によりNAFLDの有無により変化する細菌を特定した。次にノンパラメトリック多変量分散分析(PERMANOVA)により細菌叢の類似性に関して統計学的に検討した。 単変量解析の結果NAFLD群ではPrevotella属比が有意に高かった。細菌叢全体をみた場合にも非NAFLDとNAFLDの細菌叢の構成には有意な差を認めた。以上の結果から横断研究ではあるが口腔内細菌と生活習慣病との関連性を明らかにすることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症のためデータ集積に時間を要しているが,過去のデータを利用することで生活習慣病と口腔内細菌との関連性について解析できた.
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り計画をすすめ,非アルコール性肝疾患のみではなく糖尿病や動脈硬化性疾患についても口腔内細菌との関係の解析を進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナの感染拡大に伴い,飛沫の飛ぶような検査(舌圧測定と滑舌機能検査)や口腔内から細菌を採取する操作を今回行わなかったため口腔内細菌カウンタと舌圧滑舌機能検査に用いる消耗品を購入しなかったため次年度使用額が増えてしまった.今年は昨年未実施であった検査を行うため余剰金を消費出来る見込みである.
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Research Products
(1 results)