2021 Fiscal Year Research-status Report
症例登録事業の根幹をなす精度検証とその向上に資する支援のあり方についての研究
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21K10303
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50176195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩昭 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294050)
平野 靖 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (90324459)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 症例登録 / データの質 / 検証 / DPCデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
Real world dataとして質の高い登録データを担保することを目的に、登録書式の項目とその手入力によるデータの現状を明らかにし、その課題を踏まえたプレリミナリーな登録支援のシステム開発を行う研究を行った。 まず、NCD等の学会主体の症例登録事業における登録書式(CRF)の入力を必要とする項目について、NCD関連の外科関連学会を中心とした35書式の患者基本情報を除いた内容を確認した。その結果、傷病名、入退院日、手術日、救急搬送の有無、死亡の有無等を含む転帰情報などのアウトカム情報、身長・体重、糖尿病、脳血管障害の有無等の併存・既往疾患、術式、手術時間、麻酔医の関与などの手術関連情報、血清クレアチニンなどの術前検査情報が多いものであった。 また、登録情報の正確性の検証(verification)を行う目的で、2014-2015年における消化器外科専門領域の212例の既登録情報と電子カルテ情報との照合による相違の確認を行った。相違割合が多いものは、検査結果、TNM分類、体重等のその他の数値情報や分類情報であり、以下のような3つの主な要因が頻度の高いものと考えられた。 1.検査結果の相違は、手術日との関連で直近日の誤り、数値の誤登録、また、NCD基準値の認識誤りなどが要因であった、2.TNM分類は、単純な誤登録以外に、リンパ節の個数による最小粒度におけるN分類の誤りが多く見られた、3.その他の誤登録として、身長、体重の誤登録、術前輸血・術前化学療法の有無、喫煙歴や脳血管障害の既往歴に誤りなどであった。 これらの登録必要項目と入力時の支援が望まれる情報に対して、DPC調査情報の様式1情報、および、レセプト情報であるEF情報、SS-MIX2ストレージ情報などを主体とした情報の活用による検証支援機能について検討を行い、プレリミナリーな支援システムの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の計画は、症例登録情報の検証を支援するために必要な支援機能の検討を行うために、①現行の症例登録事業で登録が必要な情報内容の整理を行うとともに、②実際に行われた症例登録情報に対し、どの程度の登録漏れや誤った登録情報が含まれるのかの調査の準備、検討を行うことを予定していたが、NCDにおける症例登録を中心に情報項目の整理、また、一部の書式情報についての登録情報の検証ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の登録情報項目調査により、高い頻度で登録が必要となる情報項目について、正しく入力がされているかを確認できるように、基本的電子カルテに存在する情報を最大限抽出できるような取り組みを行う。具体的には、構造化情報として活用可能なSS-MIX2標準ストレージ内容、PC調査情報の様式1、EFファイル情報に加えて、病理結果報告などの各種レポートの活用性についての検討を中心に研究を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍での出張予定としていた学会がHybrid開催でリモート出席にしたため、残額が生じたが、2022年度の学会発表予定である札幌での医療情報連合大会への共同発表者の参加経費として計上する予定である。
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Research Products
(1 results)