空中浮遊菌の採取用ゲルの開発と非結核性抗酸菌(NTM)浴室汚染調査

2023 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K10315
• Research Institution: Suzuka University of Medical Science
• Principal Investigator: 平井 一行 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (10580847)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 笹原 鉄平 自治医科大学, 医学部, 准教授 (30448849)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: 非結核性抗酸菌 / NTM / 浴室細菌汚染調査 / 浮遊菌採取用ゲルの開発

Outline of Annual Research Achievements

非結核性抗酸菌（NTM)の治療は難治化することが多く、ワクチンがない現状では感染原因の除去による環境整備が感染予防の中心となります。日常のNTM暴露要因として浴室利用が考えられ、浴室のNTM汚染状況の把握は、感染防御において重要となります。
浴室でのNTM感染は、NTMを含むエアロゾルを吸い込む事が要因であると考えらる為に、エアロゾル中のNTM汚染量を測定する必要があります。検出には、エアロゾル中のその他の微生物を除去する必要があり、除去処理の為に滅菌水で湿らせたろ紙上に一度採取し、ろ紙を滅菌蒸留水の中で振盪することで菌懸濁を作成します。しかし、再現性・回収率が悪いことが判明した為。回収効率に優れた空中浮遊菌の採取用ゲルの開発を行うことにしました。
2023年度の実験項目としては、(1)ゲル組成の検討、(2)家庭・病院浴室での定量性の検討、および(3)回収迅速化の検討となります。(1)と(2)について検討を行い、ろ紙採取よりもゲル採取の方が高い回収率となりました。さらに高い回収率を目指し、ゲル素材を添加する試液の組成を変更しましたが、大きな回収率の向上は見られませんでした。また、採取環境が低温時の場合、採取ゲルが不安定となり回収時の再現性が低くなることが分かりました。そこで、低温時の安定性を目指したゲル組成の再検討を行いましたが、2023年度中には終了しませんでした。(3)回収迅速化の検討は、(1)の再検討もあり、回収時間の短縮化を行うことは出来ませんでした。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染の大流行時における研究の遅れが解消できなかったこと。また、課題達成の為に行う検討項目が増え為たことで研究が遅れています。

Strategy for Future Research Activity

2023年度(最終年度)にあたり進行が遅れている研究項目に注力したが、進めていく上で新たな項目が増えた為に予定していた研究課題を全て行うことが出来なかった。延長して、研究を行う。
現在使用しているゲル素材以外の素材も検討し、研究効率を上げ、予定の遅れを解消していきます。

Causes of Carryover

研究の遅れから一部の研究項目を次年度へ繰り越したため、使用予定の研究費も次年度への繰り越しとなった。本年度使用する予定である。