2021 Fiscal Year Research-status Report
眼球運動計測に基づく漢方専門医の広角的臨床能力の定量化と漢方医学教育への応用
Project/Area Number |
21K10371
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山田 理絵 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (70336709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 誠 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30377337)
貝沼 茂三郎 富山大学, 学術研究部医学系, 特命教授 (30361968)
渡り 英俊 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70757351)
柴原 直利 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (10272907)
嶋田 豊 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (80251891)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 眼球運動計測 / 漢方専門医 / 臨床能力 / 医学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,初診患者の漢方医学的模擬診察の実践から,漢方専門医の観察力,臨床推論力,関係構築力である臨床能力を医学生との比較により解明し,医学生の漢方臨床能力向上に向けた教材を作成することを目的としている。 診察中の漢方専門医と医学生の視線行動の特徴を把握するために,文献検討を実施した。診察中,医師が最も活用している視線行動はアイコンタクトであったことが報告されていた。そこで,PubMed, MEDLINE, CINAHL,医学中央雑誌Web版を用いて,“doctors or physicians(医師)” “patients(患者)” “eye contact(アイコンタクト)”をキーワードに,2022年1月までに発表された論文を検索し,量的研究15件,質的研究5件の合計20件をレビュー対象とした。分析の結果,アイコンタクトの定義づけおよびアイコンタクトの判別方法が結果に重要な影響を与えることが示された。 文献検討の結果を基に,研究者間で,模擬診察中の漢方専門医と医学生の視線行動の定義づけ及びそれらの判別方法について検討を重ねた。一定のコンセンサスを得た視線行動の定義に従って分析を行い,研究者間でそれらの一致率を算出することとした。 データ収集については,視線計測装置を装着した漢方専門医4名と医学生5名が,それぞれ70歳代の男性模擬患者の漢方医学的診察を行う際の観察力,臨床推論力,関係構築力に関する調査を終えた。引き続き,漢方専門医と医学生の臨床能力の調査を行うと同時にそれらの分析を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度実施予定は,漢方専門医と医学生の臨床能力の調査であった。しかし,新型コロナウイルスの感染拡大の影響から,依頼予定施設への立ち入りが制限されため,漢方専門医と医学生への研究協力を得ることを見合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,漢方専門医と医学生の臨床能力の分析,すなわち,①眼球運動の定量分析,②臨床推論時の思考・判断の内容分析,③関係構築力の分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け,データ収集が遅れた。それに伴い,収集したデータである眼球運動を解析するソフトウェア Tobii Pro Lab Analyzerの購入も遅れた。しかし,データ収集が可能になったため,2022年4月にTobii Pro Lab Analyze を購入した。今後は当初計画通り研究を進める。
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