2023 Fiscal Year Research-status Report
医師の病院前診療における網羅的文献データベース構築とエビデンス診療ギャップの解明
Project/Area Number |
21K10386
|
Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Mito Medical Center |
Principal Investigator |
堤 悠介 独立行政法人国立病院機構水戸医療センター(臨床研究部), なし, 医長 (50627320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 飛鳥 東海大学, 医学部, 准教授 (20530017)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 病院前救急 / ドクターヘリ / ドクターカー / エビデンス診療ギャップ / プレホスピタルケア / 病院前診療 / システマティックレビュー / メタアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は医師の病院前救急診療に関する文献を網羅的に検索・集積するシステマティックレビューによるエビデンス提示を促進し、その結果をリアルワールドデータと比較検証をすることで、エビデンス・診療ギャップを明らかにするものである。2023年度は、前年度に引き続き、複数の研究協力者とともに下記の通り病院前救急診療に関するシステマティックレビューおよびリアルワールドデータの解析を行った。 1. 小児救急患者に対するHelicopter Emergency Medical Service(HEMS)の治療効果に関するシステマティックレビューを完了し、論文投稿中である。なお、この間査読者の指摘により、文献の再検索と再解析が必要となり時間を要した。 2. HEMSの医学的効果について様々なエビデンス集積を行った。その結果、外傷患者においては予後改善が期待できるものの、オーバートリアージが問題となっている現状が明らかになった。また急性冠症候群や脳卒中に対しては搬送時間短縮が期待できる可能性が示唆された。詳細は今後ドクターヘリテキストの内容の一部として出版予定である。 3. 今後のエビデンス診療ギャップの解明に用いるリアルワールドデータである全国ドクターヘリレジストリ(JSAS-R)について、昨年度と同様に最新データの記述的解析を進めデータの把握を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)1つのシステマティックレビューを完了させたものの成果の発表に時間を要し、再検索・解析を必要とした。そのため、他のシステマティックレビューの進行が遅延している 2)リアルワールドデータで検証可能なエビデンス診療ギャップの文献的抽出に時間を要している。
|
Strategy for Future Research Activity |
スコーピングレビューなど様々なエビデンス集積方法を用いてエビデンス診療ギャップの抽出・提示を目指す。また、抽出されたエビデンス診療ギャップのリアルワールドデータでの検証も進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
1)現在投稿中のシステマティックレビューの出版見込みが次年度(2024年度)にずれこんだため、出版料などが必要になる可能性が高い2)次年度以降、進行が遅延している今後遂行予定のシステマティックレビューについて英文校正費用や投稿料を必要とする見込みである
|