2021 Fiscal Year Research-status Report
胆汁酸合成酵素CYP7A1を介した高血圧と高脂肪食のNASH発症・進展相互作用
Project/Area Number |
21K10406
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
内藤 久雄 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (90547556)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NASH / 肝線維化 / 高血圧 / Cyp7a1 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究により、高脂肪・高コレステロール飼料(HFC)摂取により引き起こされるラットの肝炎・線維化は、肝臓内への胆汁酸の蓄積が壊死・線維化に進展していることが判明しており、その要因の一つとして高血圧がある。高血圧モデルラット(高血圧自然発症ラット(SHR)及びその亜系統でNASHモデルのSHRSP5/Dmcr)では、胆汁酸合成律速酵素であるCYP7A1プロモーター領域のDNAメチル化頻度が正常血圧ラット(Wistar Kyoto rat(WKY))に比べ高く、CYP7A1蛋白発現量が多かった。通常DNAメチル化頻度の増加は、蛋白発現の低下をすることが多く逆の結果になっていた。そのため、DNAメチル化頻度解析だけでなく、蛋白相互作用にも着目した実験を行うこととなった。そこで、①SHRは生後3週齢から血圧が高くなるが、DNAメチル化頻度はいつから高くなっているのか、②CYP7A1に連動した蛋白はなにがあるか、を明らかにするために2つの実験を行った。 ①雌雄SHRを交配させ、生後1、3、6、10週間目の雄SHRを解剖して、肝臓サンプルを抽出した。 ②8週齢の雄SHRを4群(各群6匹)に分け、2群に降圧剤ヒドララジン(60 mg/L)を2週間投与(順化)し、残りの2群は通常飼料のみとする。10週齢に達したところで、a) 降圧剤+HFC群、b) 降圧剤+コントロール飼料群、c) HFC群、d)コントロール飼料群とし、8週後(18週齢)で解剖し、肝臓サンプルを抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症により、授業など大学業務の負担が多くなり、実験及びその準備が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2つの動物実験自体は終了したので、①の実験は、肝臓サンプルからDNAを抽出し、Cyp7a1プロモーター領域のDNAメチル化頻度の測定依頼をし、②の実験では、肝臓サンプルからプロテオーム解析をするための肝臓ホモジネートの作成し、次世代質量分析装置(Orbitrap fusion)でプロテオーム解析を行い、違いのあった蛋白について、Western Blot法で測定し、そのメカニズムを解明する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響により、大学業務の負担が多くなったため、実験及びその準備が遅れたため。今後は1年目に行う予定であった実験(DNA抽出、肝臓ホモジネート作成)から順次行っていく予定である。
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