2022 Fiscal Year Research-status Report
網膜層厚と遺伝環境因子による孤発性晩期発症型アルツハイマー病前臨床期診断法の確立
Project/Area Number |
21K10440
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平良 摩紀子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60792140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 昇男 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (10302134)
川崎 良 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70301067)
三木 篤也 愛知医科大学, 愛知医科大学医学部, 教授 (30437404)
小島 要 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10646988)
田高 周 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60815463)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光干渉断層計 / 網膜断層画像撮像 / 網膜層厚変化 / 遺伝因子 / 環境因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では晩期発症型アルツハイマー型認知症(LOAD)の前臨床期における遺伝因子・環境因子による網膜厚変化の関係機序を考慮した網膜層厚からの早期発症予 測が可能な診断指標の確立を目指している。LOADは現在の認知症患者の約半数を占める。高価で時間を要したMRI画像やPET画像に代わると考えられる本研究で確立した診断指標により、多くのLOAD前臨床期高齢者の健康状態の把握が簡便化されることが可能になる。個人の病態進行に照準をあわせた予防医療の実現は喫緊 の社会的要請としてが年々高まっているところから、本研究の必然性に至る。学術的背景として、1.網膜においてのLOAD前臨床期に網膜神経節細胞消失を伴う網膜神経線維層(RNFL)の菲薄化、2. LOADの予後規定因子の一つとしてのApoE遺伝子ε4の保有とKlotho遺伝子ヘテロ接合性変異の保有 を挙げた。 研究実施として研究2年度では、上記背景1.から研究初年度にコロナ禍のために遅れていた、1-1.網膜層厚パラメータ計測:1-1-1.(既に撮像されている)画像回収、1-1-2.眼科医との共同作業によるQuality Check、及び既存の眼科・神経変性疾患の除外、1-1-3.年代毎の疫学的背景とつないだ計測データセットの作成、を行いコロナ禍による実施遅れを挽回し終了した。また、1-2.網膜層厚パラメータと遺伝因子の相関解析:測定結果に調整変量を用いて因果性の検討も終了した。上記背景2.の前提にまず、ApoE遺伝子の影響がほぼ症状の認められない日本人大規模集団における統計上で裏付けられた。その後、Klotho遺伝子ヘテロ接合性変異の保有との連関を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の感染拡大と移動制限によりまず初めに必要だった画像回収が進められず画像データセット作成終了が予定より大きく遅れてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍は依然続いているものの、移動制限解除によりデータ回収を再開・終了し、網膜層厚パラメータと遺伝因子の相関解析が進捗中である。この結果を加えて今後、計画で予定されていた環境因子の相関解析を予定している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で計画遂行に大幅に遅れが生じ、その分予定していた予算使用も同様に大きく遅れているため。
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Research Products
(5 results)