2021 Fiscal Year Research-status Report
地域住民における高血圧管理状況と管理状況別にみた予後の半世紀の変遷:久山町研究
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21K10448
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 絵美 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (10850000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
坂田 智子 九州大学, 医学研究院, 助教 (50815016)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高血圧 / 高血圧管理 / 疫学 / 一般住民 / 有病率 / 時代的推移 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)心血管病、認知症発症の追跡調査、データベースの作成、検証 福岡県久山町では、1961年以降、町の健康診断の受診者を対象に時代の異なる複数の追跡集団(コホート)を構築し、心血管病・認知症発症および死因別死亡についての追跡調査を行っている。本年度は、毎年の健康診断を行うとともに、心血管病及び認知症発症の追跡調査を行い、収集された発症情報を用いてデータセットの整備を行った。 (2)高血圧の有病率と血圧管理状況の時代的推移の検討 (1)で検証を行ったデータセットを用いて、1961年、1973年、1988年、2002年、2007年、2012年、2017年の久山町循環器健診を受診した40歳以上の住民から血圧未測定かつ降圧薬服薬情報なしの者を除外して、それぞれ1,658名、2,135名、2,742名、3,298名、3,376名、3,390名、3,464名を対象とした。高血圧は血圧140/90mmHg以上または降圧薬服用と定義した。 高血圧の有病率は、男性では1961年代からおよそ60年間にかけて有意な変化を認めなかったが、女性では有意に減少した。一方、降圧療法の普及により対象者全体に占める降圧薬服用者の割合は1961年代から有意に増加し、高血圧者の血圧レベルは大幅に低下した。しかしながら、いまだに高血圧者の約半数は血圧140/90mmHg以上と血圧管理が不十分であり、降圧治療に加えて高血圧に対する啓発活動の推進の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なデータセットを整備し、高血圧の有病率と血圧管理状況の時代的推移に関する統計解析に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
わが国における高血圧管理状況の予後を明らかにするために、高血圧管理状況別にみた心血管病・認知症の発症リスクおよび死亡リスクについて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由と使用計画:令和3年度の当初の計画では、追跡調査を実施する際に研究補助者を雇用するために人件費を支出する予定であったが、コロナ禍の影響もあり必要とされる人材の確保ができなかたったため、次年度への使用額が生じた。 使用計画:令和4年度は、認知症の詳細な追跡調査を実施するため、調査実施に必要な人材の確保に要する人権費や物品費を中心に研究費を適正に使用する。
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Research Products
(8 results)