2023 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣因子との相互関係を考慮した既知生活習慣病感受性遺伝因子の臨床応用
Project/Area Number |
21K10488
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大門 眞 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20241698)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子環境相互作用 / 分子疫学 / 生活習慣病 / 糖尿病 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に行った解析の代表的例を以下に記す。 ”高齢者における糖尿病とエクオール産生能に関する検討” 【背景】エクオール(エク)は腸内細菌により大豆イソフラボンから産生され、エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用、抗酸化作用等の多面的な効果を有する。健常人におけるエク産生者の割合は30~50%と報告されている。今回、エク産生能の有無と糖尿病との関連を検討した。【方法】エクのエストロゲン作用は、内因性エストラジオールと比較して弱く、その効果は閉経後に明らかになると予想されたため対象者を70~89歳に限定し、年齢性別をマッチさせた糖尿病群147名(男性45名/女性102名)、非糖尿病群147名(男性41名/女性106名)で比較した。【結果】 (1)エク産生者の割合は男性では糖尿病の有無で差を認めなかったが、女性では糖尿病群で有意に低かった(p<0.01)。(2)女性ではエク産生者は有意に糖尿病(p<0.01)と脂質異常症(p<0.01)が少なく、高血圧症が多かった(p=0.04)が、男性ではこの様な差はなかった。 (3) 尿中エク濃度は尿中ダイゼイン濃度と、エク産生者でのみ有意に正相関した(r=0.55、p<0.01)。【総括】閉経後女性において、糖尿病群では有意にエク産生者の割合が少なく、また女性のエク者では脂質異常症が有意に少なかった。エク製剤の摂取や腸内細菌の供給等により、代謝への良い影響が得られる群を抽出できる可能性が示唆された。 研究期間全体の成果をまとめると、栄養摂取に応じて糖尿病と関連する遺伝因子、エク産性能の違いが食事とは無関係に糖尿病のリスクとなり得る事、種々臨床因子を持ちいてクラスター解析すると糖尿病の発症リスクをより正確に把握できる事、等、種々生活習慣や遺伝因子がお互いに関与しあい糖尿病と関連している事を明らかにした。
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[Journal Article] Association between equol producers and type 2 diabetes mellitus among Japanese older adults.2023
Author(s)
Hamaura K, Murakami H, Tamura A, Matsuki K, Sato E, Tanabe J, Yanagimachi M, Oishi M, Iino K, Okuyama S, Mikami T, Ueno T, Uchiyama S, Yokoyama Y, Daimon M.
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Journal Title
J Diabetes Investig.
Volume: 14
Pages: 707-715
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Association of prediabetes with reduced brain volume in a general elderly Japanese population2023
Author(s)
Tatsuo S, Watanabe K, Ide S, Tsushima F, Tatsuo S, Matsuzaka M, Murakami H, Ishida M, Iwane T, Daimon M, Yodono H, Nakaji S, Kakeda S.
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Journal Title
Eur Radiol.
Volume: 33
Pages: 5378-5384
DOI
Peer Reviewed
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