2021 Fiscal Year Research-status Report
飲酒者の脳卒中後脳浮腫に関与するグリンファティックシステムのエピジェネティクス
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21K10521
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00423757)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳浮腫 / Aquaporin-4 / アストロサイト / アルコール / グリンファティックシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会日本において、脳卒中死の予防、より有効な治療法の開発が重要である。本研究の目的は、日本国民にとって最も身近な薬物であるアルコールが脳卒中の予後に大きく影響する脳浮腫の形成にどのように関与するのか、その機序解明を目指すものである。本年度は、既報に従って単離した初代培養アストロサイトを使用した実験の解析を行った。初代培養アストロサイトは、安楽死させた新生仔ラットの脳を抽出し、髄膜等を除去した後、メッシュ破砕を行って、遠心等の処置を施行して培地に播種した。その後、PLLコーティングプレート処置等によりアストロサイトを単離した。アストロサイトに対し、培地中にエタノールを0から100mMの濃度で反応させ、エタノールに対するアストロサイトのアクアポリン4発現に及ぼす影響を検討した。また、上記動物実験により作成した梗塞脳を摘出し、梗塞巣に集積したマイクログリアを単離して、初代培養アストロサイトとマイクログリアとの共培養実験を行った。初代培養アストロサイトの培地にエタノールを0, 10, 25, 50, 100mMの濃度で添加して、アクアポリン4mRNA発現を検討したところ、エタノールの比較的低濃度群では、コントロールに比べ、低下し、高濃度では発現が増大した。初代培養アストロサイトとマイクログリアの共培養実験で、同様にエタノールを負荷するも、特に変化は認められなかった。来年度は、グリンファティックシステムの関与につき検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響及び本学動物実験施設改修の影響等により支障が生じたため、研究が予定より遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイトの虚血によりアクアポリン4が増大すること、エタノールは低濃度ではアクアポリン4発現を低下させ、高濃度では逆に増大させることが明らかとなった。来年度はこれらの機序の解明を目指し、グリンファティックシステムがどのように関与するのか、その解析を目指す。国際学会での発表はもちろんのこと、論文発表も積極的に行っていく予定であるが、国際学会の発表については社会情勢の推移により断念せざるを得ない可能性がある。
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