2021 Fiscal Year Research-status Report
異常な瘢痕形成を抑える看護ケア開発に向けた創収縮に関わる細胞消退機序の解明
Project/Area Number |
21K10599
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
宇野 智咲 山形大学, 医学部, 助教 (90877680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 陽子 山形大学, 医学部, 准教授 (60322335)
松田 友美 山形大学, 医学部, 教授 (90444926)
櫻田 香 山形大学, 医学部, 教授 (60312732)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 皮膚 / 創傷治癒 / 筋線維芽細胞 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
異常な瘢痕形成である肥厚性瘢痕やケロイドは、皮膚機能の低下や外貌の変化により、心身へ著しい影響を及ぼす。創部に加わる過度な張力による筋線維芽細胞の増殖は、異常な瘢痕形成の原因の一つとされている。本研究では、異常な瘢痕形成を抑制する効果的な看護ケア方法の開発に向け、創部に加わる張力の緩和が、筋線維芽細胞のギャップ結合の動態へ与える影響を組織形態学的に明らかにすることを目的とした。 マウス背部皮膚に切開創を作成し、ハイドロコロイドドレッシング材を3日間貼付した。その後、非固着性ガーゼを当てた創部を対照群、ハイドロコロイドドレッシング材を貼付した創部を介入群とした。肉眼的観察、及び創作製3、7、14、28日目に創部皮膚を摘出し、常法に従い組織標本を作製した。組織標本に、ギャップ結合の構成蛋白である抗connexin43抗体による免疫組織化学染色を施し、光学顕微鏡にて観察した。 その結果、両群ともに、創作製7日目では真皮から皮下組織にかけてconnexin43の陽性像がみられ、以降減少傾向にあった。connexin43の分布密度を計測した結果、群間での有意差はなかったが、介入群のほうがより低下する傾向にあった。 これらの結果より、創部に加わる張力の緩和は、筋線維芽細胞同士のギャップ結合を早期に消失させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再現性の高い皮膚創傷モデルの検討を行っている。皮膚創傷の観察期間や、組織学的観察に用いる皮膚組織の摘出時期の検討を行っている。また、組織学的観察に用いる試薬の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物マウスの皮膚創傷モデルの再現性を高め、観察期間や試薬の検討を行う。また、創部に加わる張力を加減する方法など、実験方法について詳細な検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初計画していた実験が実施できていない状況であるため。
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