2021 Fiscal Year Research-status Report
静脈穿刺時に実施する温罨法が血管拡張物質CGRPとNOに与える影響
Project/Area Number |
21K10602
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30553317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (20315534)
乗鞍 敏夫 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (40468111)
及川 正広 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60537009)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管怒張 / 温罨法 / 採血 / 静脈穿刺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血管怒張を促進する看護技術である温罨法が血管拡張物質NOの増加に影響しているかを明らかにすることである。 2021年度は、具体的かつ詳細な介入プロトコルおよび、NOとCGRPの分析プロトコルの作成を行った。CGRPは検査キットの検出力が弱く、測定ができないと判断し、今回はNOのみの分析を行うこととした。 加えて、ヒトを対象とした実証研究を行う前に、ラットを使用した動物実験を行う予定であった。しかし、ラットから採血できる採血量およびCGRPとNOキットの検出力、研究費の残額を加味し、動物実験は行わないこととした。採血という侵襲を伴う研究であるため、動物実験を行ったうえで、ヒトを対象とした研究を行う予定であったが、そもそも採血の侵襲は軽微であり、共同研究者とも議論を重ね、倫理的に問題なく研究を遂行できると判断した。 介入プロトコルは40℃5分間の温罨法を行い、実験群とコントロール群において、前後にエコーを用いた血管断面積を測定することが決まった。また、エコー実施時に対象者の腕の動きで血管断面積が変わってしまうことが予備実験で明らかとなったため、形状記憶クッションで腕の固定をする工夫を行うなどを取り入れることとなった。NO分析のための採血は対象者の負担や安全性を考え、どちらの群も介入後のみ行うこととした。 NOの分析はアミコンウルトラでNOを含む分子量の小さいものを抽出し、Dojin NK08 NO2/NO3 Assay Kit-FX 2,3-Diaminonaphthalene Kitを用いて測定することが予備実験で決まった。すでにスタンダードの作成も行い、今後はデータの正確性を高めるために実験技術の練習を積み重ねたうえで、実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な介入プロトコルおよびNOの分析プロトコルの作成に至った。 実験群:10分間の安静臥床後にバイタルサイン測定を行う。その後、皮膚温を測定し、形状記憶クッションで腕を固定する。75mmHgで駆血し、エコーを用いて血管画像を撮影する。その後、40℃5分間の温罨法を行う。再度駆血し、エコーで血管断面積を撮影し、その後、採血を行う。最後にバイタルサイン測定を行い、採血部位の止血を確認する。 コントロール群:実験群に記載の温罨法を行わない方法で行う。 NO分析はアミコンウルトラでNOを含む分子量の小さいものを抽出したうえで、Dojin NK08 NO2/NO3 Assay Kit-FX 2,3-Diaminonaphthalene Kitを用いて測定することが予備実験で決まった。 上記について予備実験を行い決定したことで、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は同じ介入方法および分析ができるように繰り返し練習し、実験技術を向上させた上で本実験を行う。 また、侵襲を伴う実験のため、対象者の公募方法、謝礼などを十分に検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、見積もり金額より実験機材などが安く購入できたためです。翌年度は大型備品となるポータブルエコーを購入するため、NO分析キットなどの購入などで活用します。
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