2022 Fiscal Year Research-status Report
静脈穿刺時に実施する温罨法が血管拡張物質CGRPとNOに与える影響
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21K10602
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30553317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (20315534)
乗鞍 敏夫 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (40468111)
及川 正広 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60537009)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血中一酸化窒素 / 温罨法 / 採血 / 静脈穿刺 / 血管怒張 / 血管拡張 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は実験を行うことができた。下記に実験内容及び結果を示す。 【方法】1.対象者:抗血小板薬および抗凝固薬を内服していない健康な成人18名(42.6±7.5歳;男性7名、女性11名) 2.実験方法:同一対象者に温罨法(実験群)する実験および温罨法をしない(対照群)実験を行った。実験群のみ5分間40℃の温罨法を左肘窩部に行い、対照群は5分間なにもせず臥床してもらった。データ収集手順は、実験群、対照群ともに介入前に皮膚温(コアテンプCM-210;TERUMO)の測定を行い、メモリ付き駆血帯で75 mmHgの圧で駆血した上で血管断面積画像をエコー(Vscan Air;GE Health Care)で撮影した。そして、介入後も同様の手順で皮膚温測定と血管断面積画像の撮影を行った。また、どちらの群も介入後に血中NOを測定するための血液サンプルを22 Gの翼状針付きホルダーで2 mL採血した。また、温罨法の持ち越し効果を避けるために対照群→実験群の順でデータ収集を行い、さらに対照群と実験群の間に30分の間隔を設けた。 3.分析方法:エコーで撮影した血管断面画像から血管周囲径を測定し、血管断面積(血管周囲径/π/2)2×πを算出した。血中一酸化窒素は採取した血液を遠心分離して抽出した血漿をAmicon Ultraで徐タンパクし、Bio Assay SystemsのNO2/NO3 Assay Kit-FXを用いて測定した。介入群と対照群のNO、血管断面積の変化量および皮膚温変化量をWilcoxon testで比較し、有意水準は5%未満とした。 【結果】実験群と対照群を比較したNO、血管断面積変化量、皮膚温変化量の値を表に示す。NOは実験群が対照群と比較して有意に低かった。血管断面積および皮膚温の変化量は実験群が対照群と比較して有意に高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年から本研究に取り組み、データ指標の一つとして考えていたカルシトニン遺伝子関連ペプチドの分析方法を模索したが、使用予定であった検査キットの検出力が弱く断念した。そこで、データ指標を一酸化窒素に絞り、ヒトを対象とした介入研究を行うこととした。一酸化窒素の分析プロトコルおよび温罨法および採血の介入プロトロコルを作成し、2022年2月から3月かけてデータ収集を終えることができた。さらに、得られたデータの統計解析がおわり、学会発表および論文投稿の準備まで進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータの統計解析まで進んでおり、今後は日本看護技術学会学術集会での発表および、海外誌の投稿をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたカルシトニン遺伝子関連ペプチドの検査キットが不要となり、次年度使用額が生じた。翌年度の助成金と合わせて、英文校正などの論文投稿のための費用としていく。
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