2021 Fiscal Year Research-status Report
マルチレベルモデルを用いた感染症患者への看護師の倫理的行動に対する組織要因の探求
Project/Area Number |
21K10629
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福井 幸子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (00325911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (00344599)
安岡 砂織 東邦大学, 看護学部, 准教授 (80459817)
矢野 久子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00230285)
中原 純 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (20547004)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感染症患者 / 感染看護 / 看護師 / 倫理的行動 / 組織的要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、感染症患者に対する看護師の倫理的行動および倫理的行動に影響する組織的要因を明らかにするための第一段階として、感染症看護の専門・感染管理認定看護師、看護管理者、感染症病棟の看護師等等に対し、感染症患者への看護における倫理上の問題や、必要な倫理的行動、倫理的行動に影響する個人的・組織的要因等についてインタビューする計画であった。 計画実施のため、対象者の選定と用語の定義、インタビューガイドの内容等について、計5回のweb会議を実施し、研究者間で認識の共有を図った。また、感染管理の認定看護師1名と看護管理者1名にプレテストを実施し、目的達成に合致したデータが得られているか確認した。その結果、看護スタッフが抱えている倫理的な問題や、組織的な対応と問題に関するデータを得ることができたが、COVID-19に関する内容に偏重する危険性がみられた。また、倫理的問題を時系列の中でどこに軸を置くのか検討が必要となった。 本研究は、COVID-19患者に特化した問題を明らかにする性質のものではないため、再度インタビューガイドを見直し修正を加えて、研究倫理審査に再申請し承認を得た。 令和3年度は、感染管理認定看護師1名と看護管理者1名に対するプレテストと、修正したインタビューガイドを用いて看護責任者1名にインタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、看護管理者5名、感染管理認定看護師または感染症看護専門看護師20名、感染症病棟の看護師5名に対して令和3年4年の2年間にわたってインタビューによるデータ収集と分析をする予定であった。しかし、プレテストでインタビューガイドに問題があることが判明し、修正後、研究倫理委員会に再審査を申し出たり、COVID-19拡大による医療機関への負担から調査協力の依頼が困難な状況であったため、計画通り進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に入り5月までに3名の看護管理者へのインタビューを終えている。認定看護師を含め、看護師へのインタビューについては6名が確定しており、今後も機縁法で対象を確保し、COVID-19による所属施設への影響を確認しながら、対象に負担をかけずにインタビューを進めていく。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた理由は、COVID-19感染予防対策として、研究者会議5回及びインタビュ-調査3回ともリモートで実施したことや、インタビュー調査の実施が計画より少なかったことが挙げられる。また、データの分析に至らなかったことも理由の一つである。 令和4年度は、経済性や効率性と、有効なデータを得るための方法について検討しながら、リモートをも選択肢に入れたインタビュー調査を、計画した対象者全てに実施していく。データ収集後のデータ分析では、リモートで実施するには限界があるため、感染状況を見ながらタイミングを逃さず、1か所に集合し効率よく対面で作業する。また、データ分析でまとめた成果を学会で発表できるよう準備にあたる。 以上、令和4年度は、令和3年度との2年間でインタビュー調査を実施するという当初の計画が完遂できるよう、支出で増額が見込まれる旅費や学会参加、データ分析等に助成金を当てて研究を進めていく。
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