2023 Fiscal Year Research-status Report
中小規模病院に勤務する看護師長の承認行為獲得にむけた教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21K10666
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 奈美枝 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (90825481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 幸枝 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (50825510)
小松 恵 岩手医科大学, 看護学部, 特任准教授 (50781895) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 承認行為 / 看護師長 / 教育プログラム / 中小規模病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により見送っていた看護師長およびスタッフナースへのインタビュー調査を進めた。施設の病院長や看護部長(総看護師長)に感染症対策について確認をしながら対象者のリクルートを行い、オンラインを中心としたインタビュー調査を実施している。 並行して、インタビュー調査で得られたデータの分析を進めている。大規模病院と比較して中小規模病院は「職員数が少ない」といった課題があるが、看護師長は自施設の特長として捉え、スタッフナースに対して「業務内容の把握のしやすさ」「職場以外の生活背景の把握のしやすさ」「キャリア志向の捉えやすさ」「心理的な距離の近さ」等を感じていたことが明らかとなった。中小規模病院で就労する職員は、互いの顔が見える関係であるため、それぞれの役割や部署が異なっていても身近な存在である。中小規模病院の看護師長は、スタッフナースの特性や能力などが容易に把握できる状況の中で、承認行為を実践していることが明らかとなった。 現在、質的にデータ分析を進めているが、理論的飽和には至っていない。引き続き、理論的サンプリングから対象者を獲得し、理論的飽和によって看護師長がスタッフナースに対して行う承認の構造性を明らかにしていく。さらに、承認行為を「認知領域」「精神運動領域」「情意領域」に分類して教育内容を精選して抽出し、体系化された教育プログラムの作成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上の扱いが5類に移行しても、調査対象施設である中小規模病院では、院内発生により医療従事者の人手不足が顕著でなった。そのため、業務を優先しなければならない対象者からインタビュー調査の同意を撤回すると申し出が相次ぎ、対象者のリクルートが難航した状態であった。 また、データの分析にも時間を要したため、本研究の目的である中小規模病院に勤務する看護師長の承認の構造化までには至らないことから、上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長し、対象者のリクルートを行いながら、オンラインを中心としたインタビュー調査を実施する。並行してデータ分析を進め、承認の構造性を明らかにしたうえで、看護師長の承認行為を「認知領域」「精神運動領域」「情意領域」に分類し、体系化した教育プログラムの作成を行う。さらに、これまで実施した調査結果の公表も進めていく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた対象者のリクルートが難航したことに加え、インタビュー調査をオンラインで実施したこと、研究の打ち合わせに係る交通費や謝金などの支出が減ったためである。今後、対象者の謝金や研究成果の公表にむけた学会参加費および旅費、論文として取りまとめる際の諸経費(翻訳費など)として使用する予定である。
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