2021 Fiscal Year Research-status Report
新たな支援を目指したCKD患者における病気の捉え方と自己管理行動との関係解明
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21K10712
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梶原 右揮 岡山大学, 保健学域, 助教 (10880552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 美智子 岡山大学, 保健学域, 教授 (50335593)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病(CKD) / 病気の捉え方 / セルフケア行動 / クラスター分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はCKD患者の病気の捉え方をIllness Perception Questionnaire-Revised(IPQ-R)で数量的に示し、その特徴を明らかにするとともに、病気の捉え方が自己管理行動にどのように関係しているのかを示すことを目的として行った. 2021年度はCKD患者における病気の捉え方の特徴(クラスター)について検討を行った.CKD患者212名を対象としIPQ-Rの因子構造について確証的因子分析を行い,信頼性係数(Cronbach’s α)を算出した.IPQ-Rの因子は7因子を使用予定だったが先行研究より検討し8因子を用いた.確証的因子分析の結果はCFI=.966-.997,RMSEA=.067-.090,Cronbach’s α=0.52-0.84でありIPQ-Rの因子構造は概ね良好であった. 病気の捉え方の特徴を検討するため,階層的クラスター分析(Ward法),加えて非階層型クラスター分析(k平均法)を行い,3つのクラスターに類別された(クラスター1:N =66,クラスター2:N =63,クラスター3:N =83).病気の捉え方の特徴は,一元配置分散分析,多重比較を行い検討した.クラスター1は病気への捉え(認識)に乖離が生じやすい特徴,クラスター2は病気が生活に重大な影響をもたらすと認識しており,情緒的反応が高い特徴,クラスター3は病気に対してコントロール感を認識している特徴を示した. 類別化された病気の捉え方と自己管理行動の違いの検討には,自己管理行動の測定に日本語版Chronic Kidney Disease Self-Care scaleを使用し(梶原ら,2021),一元配置分散分析,多重比較で検討し,クラスター1とクラスター3で自己管理行動に違いを示した.これらの結果について学会発表を行った.また,論文を執筆し海外ジャーナルへの投稿を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計解析の環境が順調に整い,研究計画通りに分析を行うことができた.病気の捉え方の特徴については学会発表を行った.類別化された病気の捉え方における自己管理行動の違いについては海外ジャーナルへの投稿の準備を行い,すでに投稿しており査読結果を待っている状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は予定通り,病気の捉え方,自己効力感,自己管理行動からなるモデルを仮定し関係性を検討する.特に病気の捉え方については,今回明らかとなった病気の捉え方の3つ特徴をどのようにモデルに組み込んで統計解析を行うか検討する.また,自己効力感の測定に用いた尺度の因子構造について確認を行い,結果を吟味したうえで分析に持ち込む予定である.
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Causes of Carryover |
COVID-19により,県外移動が所属施設より原則禁止されたため学会参加等で旅費として計上した費用が発生しなかった. 学会がオンラインで開催される場合が多く,オンライン環境の整備に使用する.また,関連書籍,統計解析技術の向上を目指したセミナー等の参加などに使用する.
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Research Products
(2 results)