2022 Fiscal Year Research-status Report
多職種連携による早期CKD患者のQOL向上支援に向けた病気の捉え類型モデルの開発
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21K10726
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
金子 順子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40611679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛塚 良江 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (10857048)
野呂 千鶴子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20453079)
田代 千香 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (30882956)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 事例‐コードマトリックス / 病気認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,早期CKD患者の病気の捉え方を類型化し,汎用性・実用性のある病気の捉え方類型モデルの開発を目指すものである.病気の捉えにはその人の価値観や観念が関係し,それらは個々の人生と深く関係する.そこで本研究では,患者の人生の歩みの中で形成されてきた病いに対する肯定感や否定感に着目し,病気の捉え方を類型化し,類型化された病気の捉え方に基づき多職種連携による患者への教育支援を行うことで,透析導入を予防または遅延することを目指している. 2022年度は,2020年,2021年に実施したCKD患者へのインタビュー調査の内容を統合し,CKD患者の病気認知をヘルスビリーフモデルをもとに5タイプ(納得積極行動型・模索行動型・依存服従型・自己否認型・現状否認型)に分類した.分類したモデルタイプの各特徴を,2021年度研究で行った質的データ分析法から抽出した定性的コードを参考に質問紙として作成した.本質問紙の構成要素の表面妥当性と内容妥当性について,全国のCKDLN(慢性腎臓病療養指導看護師)に郵送法にて調査し検証した.表面妥当性の検証は自由記述にて構成要素の文章表現に対するコメントを求めた.内容妥当性については,I-CVI指数を算出した.その結果,それぞれのタイプの特徴を特定した.また,5タイプモデルに対する否定的なコメントはなく,CKD患者の病気認知が5タイプに分類できるということには一定の評価を得られたと考えている. 5タイプモデルについては,2022年度日本慢性看護学会学術集会で発表した.また,2022年度日本看護学会学会誌に投稿し採択された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
5タイプモデルを分類することができたが、モデルタイプとセルフケア行動の関連については検証できていない。また、患者対象のアンケート調査を実施し、クラスター分類を行うことで、モデルタイプを検証する予定にしているが、その調査が遅れている状況である。2023年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2022年度に明らかにしたモデルの特徴をもとに質問紙を作成し,CKD患者に対するアンケート調査を実施予定である.本調査では,モデルタイプについてクラスター分析を行い,5タイプモデルの検証を行う.さらに,5タイプモデルとセルフケア行動との関連について分析を行い,2022年度に明らかにした各モデルタイプの特徴が説明できるかを検証することとしている. 現在,上記調査について倫理審査委員会の承認待ちをしており,承認が得られたら,全国のCKDLNの方に協力をいただきながら調査を進める予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、計画していた調査が進まなかったことや、学会発表の際に現地に赴かず、ZOOMでの参加に至ったことなどにより次年度使用額が生じた。 今年度は、全国のCKDLNに協力をいただき、患者へのアンケート調査を計画している。 また、成果報告と情報収集を兼ねた学会参加を予定している。
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