2023 Fiscal Year Research-status Report
精神科熟練看護師が臨床看護実践で活用する実践知の構造解明と伝授法の開発
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21K10791
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
坂井 郁恵 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10404815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 知子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60812295)
水野 恵理子 順天堂大学, 医療看護学研究科, 教授 (40327979)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神科看護 / 熟練看護師 / 実践知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「精神科熟練看護師の臨床場面での複雑な問題解決を支える実践知はどのような構造を有すか」という点に着目した研究である。まず、精神科看護師を対象に研究調査1として困難事例を用いた半構成的面接を実施し、実践知の構造を解明することを目指す。次いで研究調査2で、熟練看護師への参加観察法を実施することを計画している。 2023年度は面接調査に使用する事例を作成するために、該当する文献を収集・整理し、精神科看護師が捉える「困難な患者」に対する概念分析を実施した。対象となる文献の選択は、医学中央雑誌WebとCiNii Researchを用い、国内文献を「精神科看護」等のキーワードで絞り込みを行った。検索された文献のうち、入手可能であった国内文献の内容を確認し、本研究での事例内容に該当しないものは除外した結果、35件を分析対象とした。 分析は、Rogersの概念分析方法を参考とし、困難事例の概念が文献の中でどのような用いられ方をされているか、あるいは定義付けされているかを分析し、属性(概念が必ずもつ特性)、先行要因(概念に先立ち、その現れ方に影響するもの)、帰結(概念の後に生じるもの)を確認し、それぞれの要素を抽出した。その結果、精神科看護師が考える困難事例とは、【自傷他害の危険性が常にある状態】で、【継続した治療・支援の難しさ】を有する者であり、その現れ方には、これまでの養育環境・生活環境が影響していることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は事例を完成させ面接調査に着手する予定であったが、文献の収集および整理、分析の格段において当初予想していたよりも時間を要したことから、事例の作成スケジュールに遅れが生じた。その結果、面接調査のための資料を完成させることができず、当初予定していた研究調査スケジュールにも遅れが生じた。また、研究協力施設への依頼においても資料の完成を待つことが必要となり、進捗状況の遅れにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、作成した事例をもとに、研究協力施設から研究協力承諾書を得るなど、研究代表者の所属大学倫理委員会への申請を行い、倫理委員会から承諾が得られ次第調査を実施する。 面接調査での対象者の選定については、精神科領域の看護管理者、実践者、教育者等に推薦を依頼するため、研究対象者の基準を満たす者を推薦いただけるよう推薦依頼の際は対象者の基準を明確に示す。そして、面接調査の対象者となり、実際に面接を行った者の中で参加観察調査に同意が得られた者に対する参加観察調査を行うこととする。また、事例作成にあたって行った概念分析の内容をまとめ、関連学会での発表を目指す。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、事例を完成させ面接調査を実施するとともに、事例作成時の分析内容をまとめ学術集会等で発表を行う予定であった。しかし、事例作成のための資料収集と整理、分析や、研究協力施設の検討に時間を要し、実際の調査に着手できなかったため当初の予算を執行することなく繰越金が生じた。 2024年度の研究費使用計画として、調査実施に関わる消耗品等に使用するとともに、関連学会での発表旅費等に費用をあてていく。
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