2022 Fiscal Year Research-status Report
外来看護における難病療養者の在宅療養支援のための教育プログラムの開発
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21K10797
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
鶴見 三代子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (10646855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 明江 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10316127)
山口 忍 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (30289871)
高村 祐子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10553076)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 難病療養者 / 在宅療養生活支援 / 療養体験 / 質的帰納的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、在宅療養生活を送る難病療養者の療養体験を質的に分析した。 本研究の目的は,地域で生活する難病療養者の療養体験を明らかにすることであった.A病院を利用する難病療養者6名を対象に面接調査を行い,その語りから難病発症による体験や思いに関する記述を抽出し,質的帰納的に分析した.難病療養者は、(1)病気と対峙することの難しさを感じる,(2)これまで培った自己概念が揺らぐ,(3)日常生活動作が思うように行えないことに対する困難感を抱く,(4)医療者や家族と共に生活を再構築していく,という4つの療養体験をしていることが明らかになった.これらの体験は,原因不明・治療法が未確立である難病の告知という困難に直面する苦悩や,周囲からの無理解により自己概念が崩れる苦痛,日常生活のしづらさに直面しながらも,医療者や家族など周囲の支援を受けながら生活を再構築していく経験であると考える.よって支援として療養者に寄り添い,必要な支援を受けながら社会生活に適応していけるような働きかけが重要である. 上記の研究を実施したことで、難病療養者の療養体験が明らかになり、それは病気の進行などに対する不安やADL低下による苦痛、さらに自尊心が低下する、家族や友人などと良好な関係作りが出来ない、難病に関する情報不足や医療職種との信頼関係を上手く築けないといったネガティブな体験であった。一方で、前向きに生きていこうとする気持ちや障害や症状を持ちつつも、生活を再構築していこうとする姿も明らかになった。外来で実施される在宅療養支援として、ネガティブ感情を減らし、ポジティブ感情を高めるためにどのようななたら働きかけができるかを念頭に、外来で難病療養者がどのような支援を期待しているか検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今後、難病療養者の外来看護支援へのニーズを調査する計画であるが、コロナ禍であり、免疫力の低下している難病療養者との面談が困難であった。また、高齢者も多いため、オンライン面談を実施することが困難であったことも関係している。
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Strategy for Future Research Activity |
難病療養者に対する面談では、調査対象者の人数を5~6名程度に減らして実施することを検討している。また、オンラインでの面談が可能な対象者を、外来受診者の中から紹介してもらうなど、対象者の選定方法を変更することを検討している。
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Causes of Carryover |
調査が実施できなかったことにより、旅費や謝金、分析等に必要な費用を使用しきれなかった。今年度は定期的に計画的に実施していく。
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Research Products
(1 results)