2021 Fiscal Year Research-status Report
When and What do fathers need support against postpartum depression across the term of transition to parenthood
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21K10819
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武石 陽子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00586505)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 父親 / 産後うつ / 育児 / 母親 / ワーク・ファミリー・コンフリクト |
Outline of Annual Research Achievements |
父親の産後うつ対策につながる実態を調査すべく、妊娠末期から産後1年までの父親と母親の両方の追跡を開始した。これは妊娠末期・産後1か月・3か月・6か月・1年を追跡する質問紙調査であり、研究者が所属する期間の倫理委員会の承認を得て行った(2021-1-048)。 2021年5月からリクルートを開始し、2022年1月までで父親41名、母親約150名より研究参加の同意と妊娠末期(35-40週)での質問紙への回答を得た。父親の追跡状況としては、1か月時34名、3か月時31名、6か月時9名となっており、現在も追跡は継続している。 現在までのデータでは、平均年齢34歳、初産22名、経産19名、うつ病既往者2名、就労中39名、週60時間以上労働している者が2名であった。うつ状態(Edinburgh Postnatal Depression Scale:EPDS)としては、妊娠末期は4.6±3.6点で13点以上は1名、産後1か月は4.1±3.6点で8点以上は7名(全員1か月時で初めてカットオフ得点以上となる)であった。母親のEPDS得点と有意な相関は認められなかった。 父親のうつの関連要因として長時間労働が明らかとなっているが、本研究では仕事と家庭のコンフリクト(Work- Family Conflict:WFC)が関連要因となっているのではないかと仮説している。その実態としては、時間ベース、ストレス反応ベース、行動ベースでWFCの妊娠末期から産後1か月の推移をみると、時間ベースで産後にコンフリクトが増加していることが見受けられた。今後は、産後うつへのWFCの関連検証を含め、解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始年度にして研究計画書の倫理委員会の承認、およびコホート調査の開始と対象者リクルートの完了の目前まで到達できたため。ただし、予想より対象者数があがらず、リクルートに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度開始した質問紙調査の追跡を継続し、産後1年までの縦断データを固定する。さらに、本年度は、量的データの裏付けとなる質的データの収集を開始する。関連要因と父親のうつとの因果関係の詳細を説明できるような、育児期の父親の実態をインタビュー調査から明らかにする。最終年度では、それらを統合して、父親の産後うつ病対策について構想できるようにする。
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Causes of Carryover |
研究結果への論文投稿に至らなかったため、その投稿料が次年度使用額となった。研究結果を論文化し新たな知見を普及するために使用する予定である。
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