2023 Fiscal Year Research-status Report
医療的ケア児のセルフケア支援に関する基礎研究―セルフケア行動の解明―
Project/Area Number |
21K10827
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
足立 奈穂 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (50828374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70233377)
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
柴 邦代 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40413306)
汲田 明美 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80716738)
加藤 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床准教授 (50625267)
清水 いづみ 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (70515890)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療的ケア / セルフケア / 小児の行動 / 医療的ケア児 / 障害児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療的ケア児のセルフケア行動とその特性を解明することを目的としている。 2021年度~2022年度の調査において、重症心身障害がない医療的ケア児数名の日常生活場面(活動・休息、食事、排泄、清潔、その他健康観察場面等)を観察し、セルフケア行動の内容を抽出した。 結果、医療的ケア児は、あたりまえのように医療的ケアを受けて生活し、健康を維持していた。医療的ケアの種類や方法を問わず、いずれの児も顔をしかめる、啼泣する、激しく抵抗するなど明らかな恐怖や不安を示す反応はみられなかった。幼児期及び学童期の医療的ケア児は、食事や排泄などの日常生活場面において、医療的ケアの種類や方法に応じたセルフケア行動を獲得している可能性が示唆された。また、健常児や慢性疾患児等の子どもと同様に、発達段階に応じてセルフケア行動の自立度も高くなる傾向がみられた。 調査は数名による複数場面の結果であり、一般化には限界がある。今後は、対象数を増やし、障害の有無にかかわらず医療的ケア児集団全体のセルフケア行動の実態や、行動の背景となる要因について検証していくことが課題である。 上記の課題をふまえて、2023年度は医療的ケア児のセルフケア行動の実態を明らかにすべく、全国に在住する医療的ケア児の家族を対象に、抽出されたセルフケア行動の有無や実行頻度、その他観察可能な子どもの反応や行いについて、アンケート調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、2021・2022年度に調査期間を延長した影響で、次の計画の実施時期がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、アンケート調査の結果を分析し、医療的ケア児のセルフケア行動の実態を明らかにする。 また、2021年度から2024年度に収集した質的データと量的データの結果を統合して、医療的ケア児のセルフケア行動の特性を明らかにする。さらに、本研究の知見を可視化すべく、コンテンツの検討・デザイン化を図る。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の謝礼を計上していたが、COVID-19の影響で調査実施時期が遅延したことから次年度使用額が生じた。アンケート調査期間が終了する2024年度前期に、謝礼として使用する。 また、学会発表に伴う旅費を計上していたが、オンライン開催であったことから次年度使用額が生じた。2024年度は対面開催を予定しているため、これらに伴う費用とする。
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