2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of "Intergenerational Child-rearing Support Program Expanded from Family to Community"
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21K10850
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
三反崎 宏美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (00803537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 理絵子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (00824202)
上澤 悦子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10317068)
内江 希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10782683)
嶋 雅代 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50633385)
波崎 由美子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80377449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 子育て支援 / 地域 / 多世代交流 / 子育て世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代は子育てと就業の両立や孤独な育児に陥らないための助けとなる子育て支援が求められる。厚生労働省は、家庭や地域における子育て中の親の孤独感や不安感の増大に対応するために、地域において子育て支援機能の充実を図り、子育ての不安感を緩和し、子どもの健やかな育ちを支援することを目的とし、2014年から子育て支援拠点事業に取り組みを行なっている。一方では、インフォーマルな子育て支援として、家族内での祖父母による子育て支援がある。親世代、子世代にとって生活の支援や精神面の支援として大きく役に立っていることが明らかとなっている。しかし、核家族化により、祖父母の支援を受けることのできない母子も多く、互助のしくみを生かした地域での子育て支援の充実が必要となる。このようなプログラム構築に向け、現在の子育て支援の実態と課題、世代間交流が子育て世代に与える影響、高齢者に与える影響について文献レビューを行った。 医中誌Web,Pub Med,CINAHL,MEDLINEのデーターベースにより2013年から2022年の10年間に発表された原著論文を検索した。用いたキーワードは、「Intergenerational exchange/世代間交流」「Child care support/子育て支援」である。そのうち、10文献(海外文献2、国内文献8)を対象とし分析した。 世代間交流を生かした子育て支援では、祖父母世代も子育て世代も満足をしていた。祖父母は子どもと触れる、母親世代と触れることで社会の役に立っている意識が持て、子育て世代は、祖父母世代という普段身近にいない人の存在に触れ安らいだり、子どもを見てもらいゆっくりとした時間が過ごせたりと満足を得ていた。課題としては、高齢者世代のボランティアの継続性や世代が異なることによるネガティブな感情が先入観としてあり、積極的に関わることの難しさがあげられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の研究結果より、仕組みとしての子育て支援や育児代行などの役割を担う子育て支援だけでなく、人生経年や子育て経験の豊富な世代から精神的に与えられるものが、孤独に陥らない育児には必要不可欠と考える。その担い手の高齢者がどのように地域で子育て支援を行っているのか、子育て支援を受けた母と子がどのような影響を受けているのかが文献レビューにて明らかになった。また、子育て支援の担い手の高齢者が抱えている支援に関する課題も明らかになった。 この過程を踏まえたうえで次の研究計画に繋げている。また、これまでの文献レビューの結果を現在論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
「世代間交流」を中心に子育て支援を行っている2つの集団に、インタビューを行い、質的記述的研究を行う予定。 ひとつ目のグループは、自治体で高齢者に子育て支援に関する研修プログラムを実施し自治体独自の子育てマイスターを認定している。その高齢者世代と子育て世代との交流を機会とし、多世代交流の影響や子育て支援としての効果についてインタビューを行う予定。 ふたつ目のグループは、各個人個人の集まりが、炊き出しやイベントを企画して、地域の子育て世代を集めて交流を図っているという方々を対象とする。 この二つのグループにインタビューしたデータを質的記述的に分析し、行政の事業の一環である企画、個人の企画である企画、両者におけるとりくみの特徴から、世代間交流が子育て支援にもたらす影響を明らかにしたいと考えている。 現在、倫理審査委員会申請の準備中である。
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Causes of Carryover |
次年度研究計画の続行により、データ収集における謝礼、旅費(横浜、福井)などが必要となる。また、令和3年度の研究成果について今後、学術論文作成と学会発表の予定である。
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