2022 Fiscal Year Research-status Report
災害時における発達障害児とその家族を支援するためのプログラムの構築について
Project/Area Number |
21K10897
|
Research Institution | Chukyo Gakuin University |
Principal Investigator |
北林 由紀子 中京学院大学, 看護学部, 教授 (60868959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜野 安希子 中京学院大学, 看護学部, 講師 (60879766) [Withdrawn]
宮良 淳子 中京学院大学, 看護学部, 准教授 (90597949)
角谷 あゆみ 中京学院大学, 看護学部, 准教授 (10837678)
古田 雅俊 中京学院大学, 看護学部, 教授 (40413637)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 災害 / 発達障害児とその家族 / 避難所生活 / 困難感・危機感 / 地域でのサポート体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、災害が多発し、災害時に多くの被災者が避難所生活を余儀なくされる。発達障害の子どもを持つ家族は、特別な支援を必要とする子どもに対して避難所生活で不安だと感じること、困難だと感じることやどのような支援を求めているのかを明らかにすることを目的に、保護者に対してインタビューを行った。 インタビューは4か月間の間の都合の良い日を選んでもらい、インタービュアー5人(研究分担者、研究協力者)で約40分程度で実施した。逐語録に入力して聞き取りを行った。21名の保護者(母親19名、父親1名、祖母1名)から得たインタビュー内容から、個々の分析結果をもとに類似性を引き出し、カテゴリー、サブカテゴリーを生成した。 カテゴリーは、1.子どもの生活へのこだわりに起因する困難感、2.子どもの特性に起因する困難感、3.地域のサポートについての3項目をあげ、11のサブカテゴリーを抽出した。1.に対するサブカテゴリーは、①食事に対するこだわりがある②睡眠に対するこだわりがある③排泄に対するこだわりがある④衣服に対するこだわりがある⑤清潔・整容について。2.に対するサブカテゴリーは、①安心できる環境づくりが難しい②危険の回避ができない③子どもに合わせたコミュニケーションが必要④予期せぬ行動をとる。3.に対するサブカテゴリーは、①家族が守れない状況に対する不安②地域の人とのつながりが希薄、をあげた。インタビューの結果から、発達障害を持つ子どもの保護者は、他の避難者と同じ空間で過ごす避難所生活をイメージし、わが子の日常生活のこだわりの強さや障害に伴う心身の特性から、不安や困難感を強く抱く者が多かった。それゆえに、平常時からの地域でのサポートの必要性・重要性が示唆された。また、国や県、地域に対するサポート体制を願う声も多く聞くことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究は当初3年間の計画であったが、令和3年度はコロナ禍の影響を受け、保護者へのインタビューを実施することができず遅延が生じた。令和4年度は、保護者へのインタビューを実施することができたため、第1研究として成果をまとめ、令和5年3月に東アジア看護学研究者フォーラムにて発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
避難所生活において求められる支援を明らかにするため、令和4年度に実施した半構造化インタビュー調査の内容をもとに、令和5年度は自記式質問紙を作成し調査を実施する。 得られた結果から、「避難所生活において求められる支援プログラム」の作成を行う。 その後、避難所生活の訓練・体験において支援プログラムを実践し、内容を評価し、課題への対応を行い、避難所生活において求められる支援プログラムを構築する予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、令和3年度は実施予定であった保護者へのインタビューができず、令和4年度へ後ろ倒しとなった。当初の計画では、令和4年度は自記式質問紙調査を実施する予定であったが、着手が遅れた影響で質問紙調査を実施していないため、令和4年度は未使用額が発生してしまったが、令和5年に実施予定である。令和5年度は、質問紙の作成に関わる文具等(封筒、切手、紙、ホッチキス等)の代金や、施設への謝礼金等が必要となる。
|