2021 Fiscal Year Research-status Report
看護小規模多機能型居宅介護の高医療依存度利用者のケアマネジメント支援ツールの開発
Project/Area Number |
21K10968
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片平 伸子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (10381675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 北里大学, 看護学部, 教授 (00314922)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 看護小規模多機能型居宅介護 / ケアマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は看護小規模多機能型居宅介護(看多機)におけるケアマネジメントについて医中誌WEB,最新看護索引,DiaLの3DBを用いて文献を収集し,ケアマネジメントの特徴,課題および対策についての記述を抽出した.特徴としては「看多機を利用する期間のケアプラン作成は,看多機以外のサービスの利用も含めて看多機の介護支援専門員が一元的に管理する」「急きょ発生するニーズに対して,縦割り構造でなく,一体構造でリアルタイムにケアマネジメントできる」などがあった. 課題としては【1.外部のケアマネジャーを利用している利用者の柔軟な登録・移動ができにくい】と【2.制限のある中,様々なニーズへの即応を求められるケアマネジメントが難しい】に大別された. 1.には「一法人での『抱え込み』のイメージが強く,ケアマネジャーが看多機に利用者を紹介したがらない」「利用者側が,長く担当してくれたケアマネジャーを変更したくないとの思いから,看多機へのサービス移行に至らない」があり,これに対して「事業所内に居宅介護支援事業所を立ち上げた」「利用者を必ずケアマネジャーに返すという実績を重ねたことで信頼関係を構築した」といった対応があった. 2.については「4つのサービスを柔軟に組み合わせて提供するケアプラン作りが大変」「家族の希望や利用者の状態変化がある一方,通いの人数定員枠という規制のために,臨機応変が成り立ちにくい」「請求業務が複雑で,サービス計画の見直しが多い」があり,対策としては「泊りから通いに流れるところを,朝のうちに退所・夕方からの迎えで泊まり・通い時の早目の退所など,時間差で組み合わせる」「普段から退院調整会議や地域ケア会議に積極的に出席し,情報を得るよう心掛ける」といった工夫があげられた. 複数のサービスを効果的に提供するために,ケアプランの工夫,外部のケアマネジャーとの連携等に努めている実態が示された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,2021年度は文献検討ならびに有識者へのヒアリングを行い,その内容をふまえてインタビューガイドの作成,研究倫理審査への申請,研究協力施設の選定および研究参加者のリクルート,インタビューの実施等を予定していたが,COVID-19の影響により,看護小規模多機能型居宅介護施設において,感染対策業務増加により対象者の研究への参加協力が難しくなったこと,外部者の出入りが制限されたこと等の理由からインタビューの実施が難しく,進捗状況としてはやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
計画遂行のタイムスケジュールを修正し,研究実施期間を1年間延長することを予定する.2022年度にインタビューガイドの作成,研究倫理審査への申請,研究参加者のリクルート,インタビューを実施することを目指し,以降,1年ずつ実施年度を延期して,4年間での研究実施とする.COVID-19の感染状況とこれに伴う行動制限の状況を踏まえて,可能な範囲で効果的なデータ収集ができる方策を検討しつつ研究を進める.
|
Causes of Carryover |
当初の予定より研究が遅れてインタビュー等の実施が次年度に延期されたためにそのための経費が支出されなかったこと,COVID-19の影響で学会がオンラインで実施され,旅費等がかからなかった.研究期間を延長し,インタビュー等は2022年度に実施する方向であるため,これにかかる旅費,謝品,データ起こしの費用等を使用する予定である.
|