2023 Fiscal Year Research-status Report
看護小規模多機能型居宅介護の高医療依存度利用者のケアマネジメント支援ツールの開発
Project/Area Number |
21K10968
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片平 伸子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (10381675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 北里大学, 看護学部, 教授 (00314922)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看護小規模多機能型居宅介護 / ケアマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は看護小規模多機能型居宅介護(看多機)におけるケアマネジメントの実態・課題を明らかにするため、終末期に焦点をあて、ケアマネジャーを対象とした面接調査を昨年度に引き続き行った。なお、がんは経過が比較的早く、痛みなどの症状があるといった特徴があるためがんとその他の疾患に分けて聞き取りを行った。分析は録音内容を記録に起こしたものをがんの事例と非がんの事例の語りに分け、KH Coder 3による階層クラスター分析を行った。 その結果、がんの利用者の終末期のケアマネジメントの特徴としては【入院していた利用者・家族の希望により病院から在宅へ移行するのを助ける】、【宿泊時の状況を見て自宅に帰し訪問を入れる形で看多機を使う】、【がんによる痛みが出る】、【積極的治療が難しい看取りのケースは看護師を主にスタッフで対応する】等があった。 非がんの利用者の終末期のケアマネジメントについては【スタッフは一緒に過ごした時間が長く思い入れがある】、【利用者・家族が大変で看多機を使う場合ニーズにあった介護を入れることが課題になる】、【家族が仕事を持ち状態が悪く要介護度が高く出ても特養に入れない利用者を受け入れる】、【看多機を利用して看取りをする場合は最初に病院へ行って家族も含めて見て話を聞き繰り返し説明する】等が抽出された。 経過が比較的早く、痛みなどの症状があるといった疾患の特徴がケアマネジメントにも影響しており、さらに、家族やスタッフの状況も踏まえてケアマネジャーが工夫している様子が認められた。個々のケアマネジャーの工夫を公表したり支援する仕組みがあるとケアマネジメントの質の向上につながると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューデータの収集と分析に時間がかかり、進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画遂行のタイムスケジュールを修正し、研究実施期間を1年間延長した。2022・2023年度に収集した質的データの分析(調査1)を踏まえて、2024年度は量的調査(調査2)を行い、調査1・2の成果を踏まえてケアマネジメント支援ツールの開発に向かう。
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Causes of Carryover |
インタビューデータの収集・分析に想定以上に時間を要したため。 補助事業期間延長承認申請により研究実施期間を2024年度まで延長した。 2024年度は量的調査を行うため、これに関わる委託費や通信費、結果のデータの分析、成果公表のための費用を主に使用する。
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