市町村母子保健担当保健師を対象とした養親への支援ガイドの開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K10980
• Research Institution: Teikyo University
• Principal Investigator: 齋藤 尚子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (90621730)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 市町村保健師 / 特別養子縁組 / 養親支援 / 社会的養護

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、養親が地域で子育てする上での支援ニーズ、市町村保健師の特別養子縁組への認識や支援の実態を明らかにし、市町村保健師が養親支援を行うためのガイドを開発することである。
2021年度の研究計画は、養親の地域での母子保健事業・子育て支援サービス利用の実態を明らかにすることを目的として、関連学会や研修会への参加と文献検討を行うことを通して実態を理解し、養親へのインタビュー調査に向けて準備・実施することとしていた。しかし、COVID-19の感染拡大による影響により、関連学会や研修会、養親が集まるイベント等への参加が難しく、養親へのインタビュー調査の準備もできておらず進んでいない状態である。今後もCOVID-19の感染拡大による影響は続くと考えられることから、養親へのインタビュー調査は規模を縮小するとともに、ブログや新聞記事といった既存データからの分析も代替え案として検討していきたい。
現在は、委託後間もない乳幼児期の養子が地域で生活している際に遭遇するであろう困難や困りごとについて文献検討を行っているところである。しかし、「地域での養親の生活」に着目した研究は少なく、養親としての困りごととして挙げられることの多くは「真実告知」に関するものであった。他には、「実親の遺伝情報がわからず伝えられない」ことや、「入籍前は養親と子で苗字が違うことへの無理解」等もあった。養親の困りごとには、周囲の無理解や認識も影響しており、今後は養親を取り巻く関係者側の認識や、研究が少ないことから海外文献についても検討をしていきたい。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

予定では、種々の学会や勉強会、当事者が集まる会合等へ参加し、関連情報の収集や当事者とのつながりを持ち、インタビュー調査に向けて準備・実施をする予定であった。しかし、COVID-19感染拡大による影響で養子縁組当事者が集まるイベントた対面での学会等も縮小傾向にあり、十分に参加することができなかった。以上のことから「やや遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

今後もCOVID-19の感染拡大による影響は続くと考えられるため、研究計画を一部変更し、当事者へのインタビュー調査は予定より人数を減らし、代わりに新聞記事や既存データを活用した分析等を検討していく。また、養親が地域で暮らすには、養親と保健師の視点のみならず、養親を取り巻く地域住民や地域の医療機関等の認識も影響すると考えられるため、そのような視点からも文献検討や実態調査を進めていく。

Causes of Carryover

2021年度は関連学会や勉強会への参加、養親へのインタビュー調査を予定していたが、COVID-19の感染拡大による影響により実施ができなかったため、未使用額が生じた。このため、2022年度にこれらを行うことと、一部計画を変更し既存データの分析実施も考えていることから、未使用額はその経費に充てることとしたい。