2022 Fiscal Year Research-status Report
施設の認知症高齢者に対する大学生のICTコミュニティシステムの構築
Project/Area Number |
21K10982
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Research Institution | Tokyo Junshin University |
Principal Investigator |
塚本 都子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (90639684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 君子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (00622078)
平川 美和子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 教授 (50775244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症サポーター大学生 / 認知症高齢者 / コミュニケーションシステム / 高齢者施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
増加の一途をたどる認知症高齢者の生活の場として、高齢者施設の需要は高まる一方、施設の介護者不足は深刻化しており、新興・再興感染症の蔓延下においても良質な暮らしを保障する対策が求められる。施設認知症高齢者に対して、感染症に影響されないOnline傾聴ボランティアを実施する認知症サポーター大学生を投入したコミュニティシステムを構築する意義は高い。実際、高齢者施設の看護職・介護職に対して、これらのニーズを含む、認知症ケアに関する意識を明らかにする必要がある。 2022年12月から2023年1月20日、高齢者施設に勤務する看護職と介護職を対象に自記式質問紙調査を実施した。対象施設は、東京都すべての介護老人福祉施設(以下、特養)574施設、介護老人保健施設(以下、老健)204施設、介護医療院(以下、介護院)22施設、計800施設である。1施設あたり配付数は介護職者5名と看護師3名とし、計6,400部配付した。回収結果、599名から回答が得られた(回答率9.36%)。施設間における比較分析の結果、老健では、感染予防対策を徹底し(p<0.05)、認知症症状への対応困難、コミュニケーション方法の理解不足など認知症ケア困難感が高かった(p<0.01)。特養では、認知症高齢者へのコミュニケーションスキル実施意識が高く(p<0.05)かつ負担感は有意に低かった(p<0.01) 。ケア代行支援者ニーズは、特養69.9%、老健79.6%、介護院84.1%、職業別では、介護福祉士77.9%、看護師70.4%であった。認知症サポーター大学生によるwebボランティアニーズは、特養53.1%、老健48.1%、介護院59.1%、職業別では、介護福祉士50.2%、看護師50.3%であった。今後は、本調査結果を踏まえ、施設認知症高齢者への認知症サポーター大学生によるICTコミュニケーションの効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は「Meta Quest2」を購入し、認知症サポーター大学生養成と教育に必要なVR教材を整備したが、新型コロナウイルス感染症拡大が続くなか、研究者自身が感染し、認知症サポーター大学生の養成および高齢者施設への導入が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度実施した高齢者施設の介護職・看護職への調査結果を踏まえ、高齢者施設の看護介護職の協力の下、認知症サポーター大学生による施設に生活する認知症高齢者の「on line傾聴ボランティア」を実施する。 認知症高齢者とサポーター大学生の活動の成果と評価、課題と方策、活動の拡大・継続サイクルのための高齢者施設との協議・学修の場のしくみを明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定していた学会等への参加ができなかった。学会参加を計画する。
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