2023 Fiscal Year Research-status Report
訪問リハにおける利用者の活動・参加を促進する目標設定プロセスの理論化と実証研究
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21K11045
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Research Institution | Sendai Seiyo Gakuin College |
Principal Investigator |
齋藤 佑樹 仙台青葉学院短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (30792048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友利 幸之介 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (90381681)
澤田 辰徳 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (70434529)
大野 勘太 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (70827823)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 訪問リハビリテーション / 活動・参加 / 複線径路等至性アプローチ / 複線径路等至性モデリング / 目標設定 / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,第57回日本作業療法学会(沖縄)にて,「訪問リハに従事する作業療法士が対象者の活動・参加レベルの目標達成を支援する径路の類型化―複線径路等至性モデリング(TEM)による分析―」についての発表を行った.これは,学術誌『作業療法』において,2022年度最優秀論文賞を受賞した「訪問リハビリテーションに従事する作業療法士が対象者の活動・参加レベルの目標達成を支援するプロセス」の継続研究であり,対象者数を増やし,等至点までの複線化した径路の類型化を試みたものである.本研究では,活動・参加の向上を支援する過程を「介入開始から目標設定まで」「目標設定から目標達成まで」の2期に分類した.それぞれの時期には,「活動・参加レベルの目標について話し合うことの難しさ」と,「作業に焦点を当てた介入を行うことの難しさ」という障壁があった.これらの課題に対して作業療法士は複数のアプローチを活用していた.目標設定までの過程では,作業療法士は対象者の期待を尊重し,作業療法のプロセスについて詳細な説明を行い,必要に応じて個別面接を行っていた.作業に焦点を当てた介入では,作業療法士は機能訓練,要素動作訓練,環境調整など様々な手段を柔軟に活用することで望ましい結果を導いていた.さらに本研究では,目標達成までの4つの径路を明らかにした.この知見は,訪問リハビリテーションにおける活動レベルおよび参加レベルの目標を達成するための実践的な示唆を与えるものである. ここまでの研究成果は,(株)CBR社から刊行した『活動・参加を支援する! 訪問看護・介護・リハビリテーション』にも反映させた.論文に加え,書籍でも本研究結果を報告することができたため,より多くの作業療法士に成果を伝えることができる形になったと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年までのコロナ禍の影響による連鎖的な研究スケジュールの遅延がある.現在,システマティック・レビューを実施中であり,支援ガイドの作成およびケースコントロール研究の開始までもう少し時間を要する状況であることから,「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中のシステマティック・レビュー,メタアナリシスが完了したら,論文化を進めるとともに,支援ガイドの作成へと進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
昨年までのコロナ禍の影響による連鎖的な研究スケジュールの遅延があり,加えて現在もシステマティック・レビューを実施中であることから,支援ガイドの作成およびケースコントロール研究の開始までもう少し時間を要する状況である.そのため,臨床現場に貸与するデータ入力用端末購入等の未購入品があり,次年度使用額が生じた.次年度使用額は,ケースコントロール研究用のタブレット端末および論文投稿に関わる費用(英文校正費・投稿費)等に使用する予定である.
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