2023 Fiscal Year Research-status Report
医療依存度の高い在宅療養者の生活再構築におけるレジリエンス促進看護モデルの創出
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21K11114
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
菊地 ひろみ 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (80433134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 奈美 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (30452981)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅療養者 / 医療依存度 / レジリエンス / スキル / 内的・個人的強さ / 促進的環境 / 修正デルファイ法 / 専門家パネル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に抽出した医療依存度の高い在宅療養者のレジリエンスを構成する12の概念について、2021年度のインタビュー対象者を紹介した訪問看護ステーション管理者にメンバーチェックを行った上で構造化した。この表面妥当性について、在宅看護CNS、訪問看護経験10年以上の在宅看護エキスパート、在宅看護学の研究者7名からなる専門家パネルにおいて確認した。12の概念を3つの上位概念に集約し、それぞれを検討した。①わが事として医療処置を捉え、自分の希望を周囲に伝えるスキルとコンピテンスは、医療処置の技術獲得および新しい情報や知識に対する意欲・収集能力と、周囲に自分の意向を発信し、フォーマル・インフォーマルな力を活用する力量をもって構成することを確認した。②病状を自覚しつつも周囲に感謝し暮らしに楽しみを見出す内的・個人的強さ、③急変しやすい療養者の在宅生活を支える促進的環境については、表面妥当性に関する修正意見は出されなかった。スキルとコンピテンスは処置技術の獲得と周囲への発信力・情報収集力の3つの概念で構成することを確認し、それぞれ①-ⅰ、②-ⅱ、①-ⅲとした。医療依存度の高い在宅療養者のレジリエンスは、③が基盤となり、①と②が相互に影響しって進んで行くプロセスと仮定することを確認した。また、研究成果を発信するためのサイトを立ち上げた。 2024年度は、生成したレジリエンス促進モデルについて修正デルファイ法により合意形成を図る。また、研究者サイトから研究成果を積極的に発信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19により停滞していた調査研究に一定の進捗が図られた。また、リモート会議が一般的な会議ツールとなり、専門家パネルにおいても対面会議と遜色ない意見交換が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であり、2023年度の専門家パネルに、同様の選定条件を満たすエキスパートナースを3名から4名追加し、修正デルファイ法によりレジリエンスを促進する看護モデル案を確定させる。レジリエンスの構成概念に関する妥当性をRAND/UCLA Appropriateness Methodにより9段階で評定を依頼する。第1ラウンドで見解の一致を見ない項目についてはオンライン会議を設け、修正に向けた意見を集約する。その後第2ラウンドを行う。このプロセスを繰り返し、専門家パネルによる合意形成したモデルを確定させる。 調査期間は2024年12月末までとする。
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Causes of Carryover |
専門家パネルをリモート会議で行ったことにより、招聘する専門家の旅費や宿泊費が不要になったため。また、CIVID-19の5類移行後も、学内でバイアウトを実施する環境整備が困難であったことから人件費が発生しなかったため。 次年度は研究成果の学会発表、論文投稿にかかる支出として支出予定である。
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