2021 Fiscal Year Research-status Report
eラーニングを活用した分岐型ストーリーの在宅看護シミュレーションシステムの課題
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21K11156
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
春日 広美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30269295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ブルーヘルマンス ラウール 関西医科大学, 医学部, 教授 (50424601)
山崎 律子 純真学園大学, 看護学科, 教授 (70321304)
遠山 寛子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (10433989)
太田 浩子 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (30583934)
久長 正美 東京医科大学, 医学部, 助教 (60805406)
窪島 領子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 助教 (90783423)
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 教授 (60318871)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分岐型ストーリー / 在宅看護シミュレーション / eラーニングシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度の科研費助成で開発したeラーニングを活用した分岐型ストーリーの在宅看護シミュレーションシステム(以後、本システムと称す)には、限られた看護学生ではあったが一定の学習効果が認められた。しかし、本システムを普及するにあたっては2つの課題が残され、本研究ではその解決を目指す。 課題1 本システムの教育効果を測定して精錬する:複数の看護師養成施設(4年制大学を想定)において本システムを利用し、測定指標を用いて教育評価を行い、異なる教育環境下での教育効果を検証し、本システムを精錬する。2021年度は研究責任者の所属大学で研究倫理審査を受審し承認を得た。現在は研究分担者の大学における研究倫理審査受審の準備、在宅看護論の科目責任者の同意を得る手続きの段階にある。また、この教育方法の理論化の基盤として2つの文献研究を分担者を中心に実施している。ひとつは分岐型ストーリーを用いた教育の現状、もうひとつは在宅看護における観察アセスメントの枠組み、考え方の現状である。これらについては、2022年度の関連学会にて発表予定である。 課題2 簡便に本システムを作成する方法を確立する:LMSで動画と選択問題を指定すれば誰もが分岐ストーリーを作成できる仕様を検討する。最新のLMSリソースの情報を収集して試験運用を行う。これまではVimeoに格納した動画とMoodleのブランチングシナリオをH5Pで作成することができなかったが、仕様を調整して利用できるようになった。今後はH5Pでサンプルを作っていく予定である。他にも無料で使えるXerte、Twine、YoScenarioを試すとともに、有料のiSpring Suite、Articulate360 Teams、Branch Track、Near Life Creator、Elucidatなども試験的に検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題1について、研究責任者の所属大学において研究倫理審査会の承認が得るために、準備から承認までに3か月ほどを要した。次の段階は研究分担者のうちの在宅看護教員メンバーの所属大学における研究協力について、科目責任者の承認およびその大学での研究倫理審査受審の手続き中である。承認が得られ研究の説明が行えるよう整備をしている(eラーニングシステム内で研究の説明、介入、データ収集の大部分を実施の予定)。各校での承諾が得られるかはまだ不透明である。関連する2つの文献研究の分析を分担者グループが行っており、学会発表のための抄録作成、エントリーの準備を行っている。 課題2については、新たなリソースでのサンプル作成を行う段階にあるが、まずは課題1について各校での介入・データ収集の段取りが一段落することを優先しているため、現在は保留の状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1について、看護学生への介入とデータ収集を研究参加校(研究班メンバー)で行う予定である。現在は研究の説明、同意、介入、データ収集の場であるMoodle内の準備をすすめている。各対象校(研究分担者の所属大学)における、介入・データ収集の最適な時期が異なるため、Moodleの容量を鑑みつつ、その時期にあわせて実施する必要がある。また、今年度のデータ収集の状況によっては、来年度も別学年でデータ収集を継続するが、必要時、研究分担者の所属大学以外での研究実施も視野に入れる。 課題2については、今後も情報収集と国内外のeラーニングシステムを探索していく。H5Pでのサンプル作成とともに、無料・有料のリソースの試験的運用を続けていく。また、実写動画作成の難しさに対して、簡便なアニメーション動画の作成システムも探索していく。
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Causes of Carryover |
LMS管理会社への委託料について、令和3年度の研究会議において、研究助成期間が終了したあとも継続してシステムが利用できるようにするため、Moodle、Vimeoの管理を研究班で行うこととした。そのため、管理会社への委託料が発生しなかった。この未使用分は課題2において新たなシステムを探索し、短期間のサブスクリプション契約で試運転する費用に充てる。また、アニメーションで誰もが作成できる動画づくりのアプリの費用に充てる予定である。Covid-19の影響により、学会の現地開催がなかったために計上していた旅費は未使用だった。それにともない発表のためのポスター等作成の支出もなかった。
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