2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11162
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Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
末永 陽子 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (00715154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 広枝 兵庫大学, 看護学部, 教授 (60380383)
坂 美奈子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30768594)
片穂野 邦子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (30304976)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 水害 / 被災者 / 再構築 / トランジション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2021年度に行った文献検討をもとに本課題の方向性の再検討と2021年度に計画していた2012年九州北部豪雨、2017年九州北部豪雨の被災者各5名に対し、トランジションの構成概念に基づいたインタビューを継続課題とし取り組む計画であった。本課題の方向性の再検討が必要となった背景として、線状降水帯の影響を大きく受けるようになった「平成26年8月豪雨」(2014年)以降、線状降水帯の頻発により、被害状況が大きく異なっている。そのため、2014年以降の水害の被害状況の特徴を反映した看護文献を文献検討する必要性が生じた。2014年以降の水害を対象とした看護の1つ目の特徴として被害の拡大に伴い、支援を行う機関の超急性期に参集する災害の支援団体が複数存在することによる情報共有の必要性が生じている。2点目の特徴として「令和2年7月豪雨」(2020)以降、新型コロナウイルス蔓延下で実施された避難所運営は、ゾーニングや今後の避難・避難所の在り方を見直すきっかけとなっている。内閣府は避難所等の対応について、分散型避難としてホテルなどの有効活用や避難所外避難者への適切な対応が可能となる準備の必要性を示唆している。加えて、支援を必要とする被災者が多様な場所となることから、避難所外避難者の把握に努めるなど、情報共有と諸機関、自治会等の地縁団体、医療、福祉関係団体の連携の必要性が生じている。これらのことより、水害による被災者のトランジションモデルの開発においても、COVID-19による感染防止活動の影響も含めて、取り組む必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では水害の被災者へのインタビュー調査と質問紙調査をメインの調査方法としているが、コロナ禍で緊急事態宣言や重点措置により進捗が大幅に遅れている。線状降水帯が頻発するようになった近年の水害の特徴とCOVID-19の影響下での避難の特徴は、看護の文献を分析することによって課題を抽出することには成功し、研究成果として外部に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、積極的にインタビュー調査を行う予定である。2021年度の調査では、被災者とアポイントを取って話す機会があり、今後の調査協力について話し合うことができた。COVID-19の影響も感染状況の改善に伴い、調査は順次可能となっている。文献検討より抽出されたインタビュー調査が早期に完了するよう鋭意務める。
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Causes of Carryover |
2022年度インタビュー調査ができなかったことより、インタビュー調査が2022年度に取り組む課題となった。そのため、インタビュー調査にかかる予定であった 2022年度の経費を2023年度に繰り越し、インタビュー調査を実施する。
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