2022 Fiscal Year Research-status Report
新規エクサカインに着目した認知症予防のための運動の有効性の性差の解明
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21K11257
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Research Institution | Osaka Kawasaki Rehabilitation University |
Principal Investigator |
中村 美砂 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (70285386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 良平 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (70569110)
大篭 友博 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (80584755)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知機能 / 運動 / 遺伝子 / 血中生理物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年は、マウスを対象として海馬で発現する遺伝子のうち、運動による変動の見られた遺伝子を明らかにした。そのうち雌雄ともに最も発現量が低下したX遺伝子の最終産物である血中X1蛋白質に着目してヒトを対象に今年度は行った。地域在住高齢者268名を対象に、血中X1の測定および、運動習慣、認知機能について調べた。その結果、血中X1の量は、女性に比べて(n=205)、男性(n=63)の方が有意に高かった。運動習慣の有無や運動頻度と血中X1との間に関係が見られなかった。認識機能スコアと血中X1レベルとの間には、有意な負の相関が認められた。認知機能検査のスコアにより、認知機能正常群(N)、軽度認知症群(MCI)、アルツハイマー型認知症群(AD)の3群に分けて、各群内でのX1レベルと認知機能スコアとの関係を調べた結果、N群で両者の間に負の相関が認められたが、他の2群では見られなかった。また、年齢、性、教育歴で調整した結果も同様であった。さらに認知機能の下位項目とX1との関係については、N群ではX1レベルと記憶および言語との間に有意な負の関係が認められた。以上の結果より、血中X1レベルは運動習慣とは無関係であるが、そのレベルは認知機能と関係があり、特に認知機能正常者において強い関係があることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを対象とした研究から人を対象とした研究への環境移行が順調であることから。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトでの運動介入研究による同定生理物質の性差や認知機能への影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は本研究費以外で採択された研究費を使用したため、次年度使用額が生じた。次年度は、本研究費を集大成として執筆予定の論文のオープンアクセス料および介入研究での研究補助員の謝金に使用する予定である。
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Research Products
(20 results)