2023 Fiscal Year Research-status Report
新規エクサカインに着目した認知症予防のための運動の有効性の性差の解明
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21K11257
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Research Institution | Osaka Kawasaki Rehabilitation University |
Principal Investigator |
中村 美砂 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (70285386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 良平 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (70569110)
大篭 友博 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (80584755)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知機能 / 運動 / エキサカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に報告したX1遺伝子はトランスサイレチンである。地域高齢者を対象に、運動介入前後における血清TTRレベルの変化について調べたが、運動による変動は男女ともに見られなかった。TTRレベルは、軽度認知障害(MCI)および認知症と関連していることがいくつかの研究で示されている。前年より引き続き、本研究は、表現型として正常な認知機能 (NC) からMCIへの変化のバイオマーカーとしてのTTRの有用性を明らかにすることを目的とした。[方法] 地域在住高齢者を対象とした。認知機能は、Addenbrooke's Cognitive Examination Revised (ACE-R)を使用した。ACE-RスコアによりNC、MCI、認知症に分類された。2時間の絶食後に採血を行い、血清TTR値とアルブミン値を測定した。まず横断研究では、211名(平均年齢74.58歳)を対象に認知機能スコアとTTRの関係を調査した。次に縦断的研究で、29名を対象に32か月間にわたる NCからMCIへの移行における TTRレベルの関与を調べた。[結果] 重回帰分析の結果、NC群では、血中TTRレベルはACE-Rスコアと有意な関係が見られた (β = -0.295、p < 0.01)。 MCI群と認知症群では TTR レベルとの関連性は見られなかった。NC群では、血中TTRレベルはACE-Rサブドメインの記憶 (β = -0.584; p < 0.01)と言語(β = -0.743; p = 0.031) と有意な関連が見られた。縦断的研究では、MCIの女性のベースラインでの TTR レベルが NC の女性よりも有意に高い(p = 0.044)ことが明らかとなった。[結論] 以上の結果は、高いTTRレベルが、NC高齢者のMCIへの移行の予測因子となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスでの解析結果と本研究テーマとの関わりについての考察に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年にマウスで明らかにした運動により変化する遺伝子を再整理して、文献学的な知見と合わせて運動によって分泌される物質とその性差について考察を行う。さらに以上の結果を論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
論文作成が期間内に終了しなかったため、これまでの研究をまとめた論文を作成投稿し、公開費用として助成金を使用する予定である。また同様に本結果を学会発表するための交通費などに使用する。
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