2023 Fiscal Year Research-status Report
夏季日常生活時の温度環境が日本人の発汗機能に影響を与えるー生育地域からの検討ー
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21K11365
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
奥本 正 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70330727)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 暑熱環境 / 生育歴 / 体温調節 / サウナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、亜熱帯環境の居住年数と日常生活における温度環境が暑熱環境の体温調節反応の差に影響を与えるという仮説を検討することを目的としている。 2023年度は温帯生育者の亜熱帯環境の居住年数が体温調節反応、特に発汗能に及ぼす影響を検討する研究を計画した。この研究は亜熱帯環境生育者と温帯生育・亜熱帯環境居住者の体温調節を比較する横断的研究と温帯生育・亜熱帯環境居住年数による変化を検討する縦断的研究の2つからなっている。今年度は横断的研究の一部を行った。温帯生育・亜熱帯居住1年以内3名、温帯生育・亜熱帯居住1年以上3年以内5名、亜熱帯環境生育者5名を対象とした。暑熱環境は室温40度の遠赤外線式サウナで実施した。測定時間は45分であった。鼓膜温、胸部・手掌部発汗量、皮膚温を測定した。 亜熱帯環境生育者は安静時の鼓膜温が低く、その後の温熱負荷において、鼓膜温は上昇していったが、その上昇は温帯生育・亜熱帯居住者と同程度であった。一方、亜熱帯居住1年以内の発汗量は亜熱帯居住2・3年、亜熱帯生育者と比較して低かった。 今年度は、横断研究の一部を実施したが、次年度被験者数を追加して、仮説の検証を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度はコロナウイルスの感染症の拡大をうけ、実験が実施できなかった。また、代表者が大学の役職に就いたため、研究のエフォートが確保できず、2年も予備実験を行うにとどまった。今年度は、計画していた横断的研究を実施することができた。しかし、鼓膜温の測定方法の確立に時間がかかり、予定していた被検者数が実施できなかったため次年度も横断研究を実施する予定である。 2023年度はレーザー血流計を購入して、測定項目を追加する予定であったが、購入できなかった。また、日常生活の温度環境の調査も実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は縦断的研究に加え、新しい被検者を確保し、横断的研究の追加実験を行う予定である。また、2023年度に購入できなかった備品を購入する。さらに調査研究に関する倫理審査を提出し、承認後、調査を実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
2023年度に備品を購入する予定であったが、現在の実験系の確立に時間がかかったため新しい測定項目を追加し実験を計画すると実験のさらなる遅れが生じると考え、購入を延期した。また、実験が終了していなかったため、学会発表はできず旅費は執行できなかった。今年度は実験研究の実施のため、人件費、備品、消耗品の執行を予定している。
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