2022 Fiscal Year Research-status Report
ピラティスメソッドによる運動学習過程と神経筋促通効果の解明
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21K11423
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
八田 有洋 東海大学, 体育学部, 教授 (20312837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 寛之 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00779308)
下田 政博 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80302909)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マットピラティス / 等尺性膝関節屈曲力 / 等尺性膝関節伸展力 / 筋電図 / 長期介入 / 等速性運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究目的は、長期ピラティス介入に伴う脚筋力の向上効果及び技術習得に伴う運動学習過程を明らかにすることであった。参加者はピラティス経験のない一般健康成人24名を対象として、週1回60分のピラティスエクササイズを12週間実施するピラティス群(12名)とピラティスを実施しない対照群(12名)に無作為に分類した。 両群ともに介入前後に脚筋力を測定した。脚筋力は膝関節屈曲・伸展力に着目し、脚筋力測定装置(イージーテックプラス、インターリハ)を用いて等尺性最大筋力及び等速性筋力を測定した。ピラティス群は、ピラティス実施中に心拍数と実施前後に血圧を測定した。さらに、ピラティス群の男性6名は、技術習得に伴う運動学習過程を評価するため介入初期と介入後期の各時期にピラティス実施中の腹筋群の筋活動を記録した。筋電図は、日本光電社製WEB7000を用いて、腹直筋上部と外腹斜筋の各左右4部位から記録した。 その結果、等尺性膝関節伸展力において、ピラティス群は介入前が203.96±13.2Nm、介入後は224.77±14.2Nmであり、介入後に有意な増大を示した(p<0.01)。また、等尺性膝関節屈曲力においても、ピラティス群は介入前が88.18±7.2Nm、介入後は96.46±7.7Nmであり、介入後に有意な増大を示した(p<0.05)。一方、対照群は等尺性膝関節伸展力(介入前:197.83±12.6Nm、介入後:189.08±13.6Nm)及び等尺性膝関節屈曲力(介入前:88.92±6.9Nm、介入後:84.71±7.4Nm)共に介入前後で差は得られなかった。 ピラティス介入による脚筋力の向上は、筋力トレーニングの効果として生じる筋肥大や筋量増加によるものではなく、筋発揮に関わる運動単位の動員数や発火頻度の増加など神経筋促通効果によるものであると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り長期ピラティス介入による脚筋力及び技術習得に伴う運動学習過程について実験・測定を実施した。脚筋力について、等尺性膝関節屈曲・伸展力及び等速性膝関節屈曲・伸展力を測定し、等尺性筋力のみ分析が終了している。しかし、等速性筋力及び筋電図データの分析に着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、着手できていない等速性脚筋力と筋電図データの分析を行う予定である。また、2023年度の研究目的である「中高年者を対象に長期的ピラティス介入による中枢神経機能、特に脳内情報処理過程に及ぼす影響」について明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度(最終年度)は、研究成果を国際学会(28th Annual Congress of the European College of Sport Science: ECSS, 2023)で発表するための旅費に充当するため次年度使用額を確保した。また、最終年度に中高年者を対象として、ピラティス介入に伴う脳内情報処理過程に及ぼす効果について、測定を実施するための費用として余剰分を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)