2021 Fiscal Year Research-status Report
心身機能の維持・向上を目的とした集団指導に対する客観的な有効性検証に関する研究
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21K11462
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
山崎 昌廣 広島文化学園大学, 人間健康学部, 教授 (40128327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 千広 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10321150)
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70300473)
齋藤 誠二 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70452795)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 健康 / 老化 / アダプテッドスポーツ / 生活習慣病 / 体力 / 集団指導 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
保健や福祉の現場において、心身機能を維持・向上するための様々な集団指導・支援が盛んに進められている。本研究では、各々の取り組みの有効性、すなわち事業評価ならびに受講者へ結果還元を、主催者自身が客観的に実践するための手引きを提案することを最終目標としている。これによりPDCAサイクル(計画-実行-評価-改善)が回り、より良い集団指導・支援の提供につながることが期待される。 本年度は各現場における集団指導・支援に対する有効性の課題の整理を試みた。高齢者を対象とする集団運動指導に関わる指導者にインタビュー調査、および障害者優先スポーツ施設を対象に郵送法による質問紙調査を実施した。調査を通して、有効性の評価の重要性は理解されているものの、それらを実行することは極めて難しいことが伺えた。集団指導・支援の現場においては、マンパワーが不足していること、評価のための時間を確保できないこと、実施による怪我や体調不良などのリスクが高いことなどの多くの課題があり、評価が適切に行えていない状況が確認された。特に評価を行うためには、計画、準備、実施、解析・集計、報告などの多くのプロセスを踏む必要があり、そのためのマンパワー、時間や労力が割けないという問題は深刻である。また、これらの多くの課題が現場の指導者の努力では解決することは難しいといった根深い問題も露わになった。 以上の調査から、現状、様々な指導者が集団指導・支援に取り組む一方でその有効性が正しく評価する手段がない現状に加え、評価を実施するための「手引き」に対するニーズが確認できた。つまり、本研究課題の目的が集団指導・支援の現場の問題解決にマッチングしていることが確認できた。他方、研究グループが想定していたよりも現場の問題は深刻であったことから、現場の実情をより考慮した提案が欠かせず、今後の研究内容を必要に応じて見直す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により、集団指導・支援の現場においてはその対応に負われて、調査が実施しにくい状況にもあり、若干の計画通りに進んでいない調査もある。しかし、一方で予定よりも進んでいる研究もあることから、総合して「予定通り」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度(令和3年度)の調査から、集団指導・支援現場での評価の実践は困難であり、それは研究グループが想定していた以上の困難さであった。本研究課題は現場における集団指導・支援の実態を把握し、現場にて導入しやすく、無理なく実践できる評価指標を選別することを研究の計画としていたが、研究の目標・方向性を変えない範囲で見直しを行うことも考えている。当初は様々な評価要素を網羅することを目指していたが、ある程度限定し、一つ一つの要素の評価方法をより深く(どの現場でも導入・実践できるように)検討することなども視野に入れている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、調査が実施しにくい状況にもあり、若干の計画通りに進んでいない調査があったことから次年度使用額が増大した。しかし、研究の目的,方向性は計画どおりである。今年度支出予定であった項目についても,一つ一つの要素の評価方法をより深く(どの現場でも導入・実践できるように)検討し,次年度以降の実施とすることから,計画通りの支出となる予定である。
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