2022 Fiscal Year Research-status Report
小学校教師の体育授業に関する力量形成のライフヒストリー研究
Project/Area Number |
21K11549
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木原 成一郎 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20214851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大後戸 一樹 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20632821)
中西 紘士 広島修道大学, 人文学部, 助教 (30823637)
久保 研二 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (90594698)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ライフヒストリー / 体育専科教師 / 学級担任教師 / 授業力量 / 授業スタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ライフヒストリーの研究方法により、専門職としての体育教師の授業に 関する力量形成の過程を明らかにすることである。本研究は、インタビュー記録に加え授業研究で作られた実践記録を資料として用いることで、その教師特有の授業スタイルの形成と変容に注目し、欧米のライフヒストリー研究(以下LHと略)では明らかにされていない体育教師の授業力量の形成過程の特徴を明らかにする探索的性質の強い芽生え期の研究である。 2年次の2022年度は、1年次に収集した広島大学附属小学校の体育専科教師2名の語ったライフストーリーを収集及び解釈し、その成果を『小学校体育専科教師の授業力量形成に関するライフヒストリー研究』(木原編著、創文企画、全213頁)として出版した.そして、その成果を2022.5月に北海道教育大学札幌校で開催された国内の日本体育科教育学会大会で発表した。 さらに、その著書に関してLH研究で著名なスコットランドにあるエジンバラ大学のMike Jess氏のところに意見聴取のため渡英し成果と課題の示唆をいただいた。その成果は2023年度に『体育科教育』誌に掲載予定である。 また、配慮を要する子どもを指導した教師である小学校学級担任教師を対象に,教員養成入学以前から教員養成段階,教職入職後,現在に至るまでの体育・スポーツ活動に関するLHのデータを収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年次に収集した広島大学附属小学校の体育専科教師2名の語ったライフストーリー(以下LHと略)を収集及び解釈し、その成果を『小学校体育専科教師の授業力量形成に関するライフヒストリー研究』として出版できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2022年度)に収集した、配慮を要する子どもを指導した教師を含む小学校学級担任教師への,教員養成入学以前から教員養成段階,教職入職後,現在に至るまでの体育・スポーツ活動に関するLHのデータについて、早期に解釈しLHを構築するとともにその成果を国内の体育観連学会で発表する.さらに、公立小学校の小学校学級担任教師を対象に,教員養成入学以前から教員養成段階,教職入職後,現在に至るまでの体育・スポーツ活動に関するLHのデータを収集する.
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Causes of Carryover |
本年度以下の点が計画に加算して実施することになり、配分の500.000円では不足することになり、300.000円の前倒し請求が必要となった。 ・当初2020年度に来日予定のイングランドのKevin Morgan氏がCovid19の入国緩和処置の結果急遽2022.11に来日することになり、通訳に1名を雇用し謝金を支出する必要が生じた。・国内学会がすべて対面開催となり、日本体育科教育学会(5月)、日本スポーツ教育学会(9月)、日本教科教育学会(10月)、教育目標・評価学会(12月)と予定の2回より多い4回の学会参加の旅費が必要となった。・2022年度は国際学会がオンライン開催となり旅費は不要となったが、Covid19の入国出国緩和処置の結果、急遽2022.12にライフヒストリー研究で著名なエジンバラ大学のMike Jess氏のところに意見聴取のため渡英することになった。ところが円安のため渡航費や滞在費が予定の1.5倍必要となる状況が生まれた。 しかしながら、エジンバラ大学出張旅費に残金が生じたため、残金の44,668円を次年度使用額として繰り越すこととなった。なおこの残金は、本年度実施予定の国内学会発表のための出張費用に使用する計画である。
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