2022 Fiscal Year Research-status Report
がん治療における免疫/栄養ハイブリットマーカーの創出と食品による新たな治療戦略
Project/Area Number |
21K11598
|
Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 夏子 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (60535293)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 経口抗がん剤 / 腸管免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療においては、粘膜障害による腸管免疫低下、さらには治療効果および栄養状態の悪化が懸念されいる。近年、従来のものより副作用の少ない経口抗がん剤として分子標的薬が注目されているが、特有の副作用である腸管障害による消化器症状が高頻度に発現することから使用に関して課題は多い。また、腸管と密接に関係する免疫および栄養状態を改善するには介入が必要であるが、医薬品には使用制限があるため、機能性を有する食品成分の利用に期待が持たれている。 本研究では、分子標的薬による腸管免疫および栄養状態の低下を生体外から予測できるマーカーを見出し、この副作用を回復させる食品成分を特定することを目的として検討を進めた。 2022年度においては、Wistar 系雄性ラットを用いて、分子標的薬投与後のα-defensin 5、LysozymeおよびImmunoglobin (Ig) A分泌量を指標とした腸管免疫の変動と口腔内に分泌されるLysozyme 、IgA量との相関から唾液成分が腸管免疫の指標になり得るか評価した。その結果、腸管α-defensin 5と唾液腺Lysozymeの有意な減少、さらにその変動に関連性が確認された。また、獲得免疫との関連性およびα-defensin 5によるIgA分泌関連遺伝子の制御についても確認された。以上の結果から、唾液成分であるIgA等が免疫予測マーカーとなり得る可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子標的薬投与により腸管免疫および唾液成分に変動が見られ、両者に関連が見られることをIn vivoの検討により明らかにした。概ね予定通り進めたものと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、分子標的薬による免疫低下時の免疫状態を改善させる食品成分を探索する。
|
Causes of Carryover |
2022年度に発注を行ったが、予定より納期がかかり納品が次年度となった。これを次年度予算からの支出としたため、次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(2 results)