2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん治療における免疫/栄養ハイブリットマーカーの創出と食品による新たな治療戦略
Project/Area Number |
21K11598
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 夏子 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (60535293)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経口抗がん剤 / 腸管免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療においては、粘膜障害による腸管免疫低下、さらには治療効果および栄養状態の悪化が懸念されている。本研究では、分子標的薬による腸管免疫の低下を生体外から予測できるマーカーを見出し、この副作用を回復させる食品成分を特定することを目的として検討を進めた。 Wistar 系雄性ラットを用いて、分子標的薬投与後のα-defensin 5およびToll - like receptor (TLR) 4 mRNA発現量、さらにImmunoglobin (Ig) A分泌量を評価した。使用薬剤には、アファチニブ、レゴラフェニブ等を用いた。分子標的薬投与により、α-defensin 5 mRNA発現量の変動が見られ、IgA分泌量との間に相関が確認された。次に、分子標的薬投与後のα-defensin 5およびIgA分泌量を指標とした腸管免疫の変動と口腔内に分泌されるLysozyme 、IgA発現量との相関から唾液成分が腸管免疫の指標になり得るか評価した。その結果、腸管α-defensin 5と唾液腺Lysozymeの変動に関連性が確認された。さらに、分子標的薬による免疫低下を回復させる有用な機能性食品成分を同定する目的で、ラットへの食品成分投与による各指標の変動を評価した。ラットへの分子標的薬曝露後、食品成分である大豆イソフラボンを併用することで減少したα-defensinを回復させることが示唆された。TLR4 mRNAおよびタンパク質発現量について、変動は確認されなかった。 以上のことから、分子標的薬投与時において腸管免疫の指標の一つであるα-defensin量を唾液中成分で評価できる可能性が示され、さらに食品成分を併用することで抗がん剤による免疫低下を回避できる可能性が見出された。
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Research Products
(1 results)