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2023 Fiscal Year Research-status Report

食育を目指した保健指導への挑戦:行動療法的方法論に基づいた糖尿病前症の対策

Research Project

Project/Area Number 21K11625
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

加隈 哲也  大分大学, 医学部, 教授 (80343359)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 正木 孝幸  大分大学, 医学部, 准教授 (00423715)
後藤 孔郎  大分大学, 医学部, 講師 (10457624)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords職員健康診断 / 糖代謝異常 / 血糖自己測定 / FreeStyleリブレ / 行動変容 / 代謝改善
Outline of Annual Research Achievements

職員のメタボリックシンドローム発症予防を目的として、糖尿病前症に相当する職員(HbA1c5.6%以上で、かつ、BMI25以上、またはウエスト周囲長が男性85cm以上女性90cm以上を満たした職員健診受診者)、また保健管理センターの職責は職員の健康増進を目的としているため、糖尿病治療中で希望があった職員に対して、FreeStyleリブレ(間欠的持続血糖測定器:isCGM)を用いた保健指導を案内し、実施した職員と実施しなかった職員の次年度の健康診断時のデータを比較検討した。さらにオプトアウトで3年後の健康診断時のデータも併せて比較検討した。
実施しなかった職員では、日常生活の改善に関する質問に対し、その割合はほぼ変化がなく、毎年同内容の回答をしていることがわかった。一方で、実施した職員では、日常生活を改善するつもりがない割合が減り、改善にとり組んでいる割合が増えていた。具体的には、身体活動を増やした方が増え、就寝前の夕食摂取を避け、また朝食を欠食する職員が減っていた。また、血糖効果薬、降圧薬、脂質代謝改善薬の内服する割合が有意に増加していた。これまで健診後に医療機関の受診干渉をしても受診しなかった方が、受診したことがわかった(自ら、紹介状を希望して来室された方もいた)。代謝データの変化量(退職や移動で翌年の健康診断を受診していない方、投薬の開始された方は除く)では、実施しなかった群ではほとんど変化がなかったのに対し、実施した群では多くのデータに改善がみられ、ウエスト周囲長、血圧、肝機能には有意な違いが観察された。なお、1年後にBMIが1以上低下した割合は、実施群では非実施群の3倍ほど有意に高かった。さらにウエスト周囲長、血圧、肝機能の改善は、リブレによる保健指導を修了して3年後でも同様に観察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

FreeStyleリブレを実施しなかった職員(isCGM非実施群)では、翌年度の健康診断のデータはほぼ変わっていなかったが、実施した職員(isCGM実施群)では、多くの代謝パラメータが改善し、一部のデータには有意差が認められた。BMIが1以上低下した割合が、実施群では非実施群より3倍ほど高かったが、BMIが1以上上昇した割合は、約12-13%と両群に違いはなかった。このことは、このような介入をしてもしなくても、12-13%の方は1年後にはBMIが1以上上昇してしまうことを示しており、保健活動の限界を感じるものであった。なお、実施後のアンケート調査では、リブレによる自己血糖測定の満足度は高かった。血糖値の変化を「単に」知ることではなく、血糖を気にして測定する行為の頻度が高いほど、食事や運動への意識ならびに肥満・糖尿病への意識が高くなっていることがわかった。つまり、セルフモニタリングこそが、生活改善の意欲の向上と関係しており、行動変容の起点になることが確認された。このことは今後の保健指導における重要なポイントになると考えている

Strategy for Future Research Activity

このプロジェクトは、保健指導を希望した職員(ある意味、一定数の『モチベーションの高いであろう』職員)の行動が、職場全体に良い影響を与えてくれることを目標としている。このような健康指導の介入が、職場全体の健康意識に、また健康診断のデータに変化を与えていないか、注意深く観察する予定である。同時に、脂肪肝の診断には画像診断が必要とされるが、通常の採血を中心とした健診レベルでの評価と動脈硬化への影響についても解析していく予定としている。

Causes of Carryover

R4年12月1日に、現在の医学部看護学科に異動し、R5年度の大半は看護学科で、また昨年度から新設された先進医療科学科で担当する講義スライドの準備と実際の講義に追われた。一方で、基本的にデータの解析、論文化、学会発表が中心であったことや、前職の保健管理センターに割り当てられている研究費を使用できたことも未使用額が生じた理由である。
基本的には研究計画に則って研究を進める。また健康指導の介入が、職場全体の健康意識や健康診断のデータに変化を与えていないか、また健診データと動脈硬化への影響についても解析していく予定としている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Application of Self-Monitoring of Blood Glucose by Intermittently Scanned Continuous Glucose Monitoring to Lifestyle Improvement After Health Checkup2023

    • Author(s)
      Kakuma Tetsuya, Tsutsumi Takashi, Kudo Yoshikuni
    • Journal Title

      Journal of Endocrinology and Metabolism

      Volume: 13 Pages: 57-69

    • DOI

      10.14740/jem.v13i2.875

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 行動療法的方法論に基づいた生活習慣指導の実践2023

    • Author(s)
      加隈哲也
    • Organizer
      第44回日本肥満学会/第41回日本肥満症治療学会学術集会、産業医研修会
    • Invited
  • [Presentation] isCGMによる血糖のセルフモニタリングを用いた定期健康診断後の保健指導2023

    • Author(s)
      加隈哲也、堤隆、工藤欣邦
    • Organizer
      第30回西日本肥満研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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