2021 Fiscal Year Research-status Report
AMPKを介した抗酸化作用を有する新規機能性単糖による加齢黄斑変性の予防と治療
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21K11626
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
寺崎 寛人 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (20746888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 聖也 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (00878283)
坂本 泰二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10235179)
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
山下 勝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10635519)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
大塚 章太郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (80849901)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは、細胞実験をするためにヒト網膜色素上皮細胞(Lonza社)を安定して培養するために過去の報告に基づいて12well plateでの培養を試みた。網膜色素上皮細胞は上皮細胞の性質を持つと(細胞極性を持つと)正六角形の形状となる。本研究は、できるだけin vivoの状態を再現するために細胞極性を持つ状態で実験を行うことにした。12well plateに播種後、3日目にはコンフルエントになったが、5日目には正六角形の形状となり、10日目には細胞死が目立つようになった。今回の結果、これまでの実験結果より5日目~7日目の細胞が細胞極性を持つと考え実験に使用した。希少糖の抗酸化ストレス作用を調べるために、網膜色素上皮細胞を希少糖と共培養したのち、過酸化水素刺激を行った。顕微鏡による評価、MTT試験、炎症性サイトカイン(IL6、IFN、TNF、IL1beta)の測定をELISA法で実施した。MTT試験ではコントロールと比較して、希少糖共培養群では細胞死の割合がわずかに減少した。過酸化水素水刺激では細胞死が増加した。希少糖+過酸化水素水刺激群では過酸化水素水刺激群よりも細胞死の割合が減少すると予想していたが統計学的に有意な結果には至らなかった。また、各種炎症性サイトカインについても現在の条件では過酸化水素刺激群、希少糖共培養群ではコントロールと比較して傾向は確認できたが統計学的な有意差は出ていない。これらの結果は、網膜色素上皮細胞が極性を持つと、従来の培養細胞よりも細胞死を起こしにくくなることが影響している可能性が考えられる。2年目には、条件を調整して同様の実験を行っていく。また、当科では硝子体手術で得られた眼内液を保管しており、様々な症例の炎症性サイトカインを定量することで将来的に希少糖が有用となる疾患を絞ることを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記研究実績の概要で記載したとおり、in vitroの実験結果が当初の予想と異なってた。細胞や実験内容の条件の調整を含めて成果が上がるよう努める。また、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、大学院生が当初の予想よりも基礎研究に充てる時間を確保できないことも理由となった。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞や実験内容の条件の調整を含めて成果が上がるよう努める。同時に、臨床検体の炎症性サイトカインの解析なども行い成果が出るよう努める。大学院生のワークライフバランスに注意しつつ基礎研究に充てる時間を確保するよう環境を整える。
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Causes of Carryover |
差額分を使用できなかった。
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