2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of cancer risk score based on oxidative stress and examination of its validity
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21K11679
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
南里 妃名子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 室長 (20612435)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 抗酸化 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、酸化ストレス関連バイオマーカーが、がん罹患と関連するかについて、1万人規模の地域住民コ-ホートの10年間追跡で把握したがん罹患データを用いて明らかにするとともに、がん罹患予測スコアを開発し、その妥当性について10万人規模のコ-ホート研究で評価することを目的としている。 酸化バランス評価法として、性酸素やフリーラジカルによって過酸化された脂質、たんぱく質、アミノ酸、核酸などの酸性変性物質の総称であるヒドロペルオキシドの血液中の濃度(d-ROMs)と血液中に存在する抗酸化物質が酸化鉄イオンを2価鉄イオンに還元する能力を生体内の総還元力(抗酸化能力、BAP)について、1検体当たり血清30μl、10分で測定可能なウィスマー社のd-ROMs、およびBAPテストが多く用いられるが、大規模調査に向いていない。そこで本研究では、d-ROMsとBAPを呈色反応で計測する測定において、ピペッティングロボット Andrewを使用することで少量の検体を一度に多数測定できる測定系の確立を目指した。改良の結果、検体量を約80%減少させ、測定時間も短縮することができ、実検体の測定を開始した。しかし、測定系の改良に時間を要したため、測定完了が令和6年度の9月頃に遅れる見込みとなった。 また、本コホート研究対象者の10年間のがん罹患情報を用いたコホート解析や、調査票に基づいて作成した酸化バランススコアの妥当性評価を進めるためのSASプログラムの構築も進めており、d-ROMとBAPの測定終後ただちに統計解析に取り掛かれるようにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始時点で新型コロナウイルス感染症のパンデミックとなり、新型コロナウイルス感染症関連の研究を最優先としたため、測定系の確立が大幅に遅れてしまった。その後、測定系は確立したが、検体数が多く、現在のマンパワーでは半数までしか測定が完了できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
d-ROMsおよびBAPの測定をすすめ、酸化ストレススコアの妥当性評価や、d-ROMsおよびBAPとがん死亡や罹患との関連の検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
検体測定が次年度までかかる見込みであり、そのための試薬や実験用品の費用を残しておく必要があったため。
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