2022 Fiscal Year Research-status Report
カテゴリ変数を伴う臨床研究における新たな解析法およびデザインの開発
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21K11790
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 紘司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10548176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カテゴリカル変数 / co-primary endpoints / F1スコア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,課題の1つである3値以上の多値カテゴリをアウトカムとする検査の性能比較について,今年度は実際に広く使用してもらえるようプログラムを作成しソースコードを論文にも掲載した上で投稿を行い,現在返事待ちの状態である. また,今年度はそれとは別にもう1つの課題である,有効性と安全性の両方を主要評価項目とした選択デザインについても研究を行った.具体的には,まずはエンドポイントとして,有効性および安全性のどちらも2値変数である状況を想定し,どのような状況であればどんな意思決定を下すかのdecision ruleを定め,それに従った定式化を行い,確率計算を行った.ただしこの計算は正確確率評価に基づくものとなっており,計算時間はサンプルサイズが50程度でも非常に時間がかかり,また一般的なCPUをもつコンピューターを用いると,それ以上のサンプルサイズの場合にはメモリオバーフローを起こすことがわかった.したがって,実用に耐えうることを目標とすると,計算アルゴリズムの効率化や,場合によっては近似的な確率評価に基づいた計算を行う必要があり,この場合には近似誤差等の評価を行い,実用上問題ないレベルであればこちらの計算に基づく実装を進めていく. なお,可能であれば,安全性指標が2値変数でかつ有効性指標は連続変数のような,種々の評価変数の種類の組み合わせにおいても同様のデザインを開発できないか検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続いて行った研究についてはすでに論文投稿中であり,2つ目の課題については理論面での手法構築は完了しており,実用化ツールを開発しつつ論文執筆をし準備ができ次第投稿予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは2つ目の課題に関する提案手法における実用化ツールの開発を行い,実際に現場で使用してもらえるようにする.それと同時にこれを論文中にも記載することで広く普及させる.エンドポイントの種類を変えることで様々な状況にも対応できるようになると考えられるため,新たにこちらのテーマにも取り組んでいく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍によるオンライン学会参加のため当初予定より旅費使用額が減額したため繰越が発生している.昨今,現地開催の学会も増えてきており,研究者との交流の意味でも現地で発表する意義は大きいため,繰り越した分は現地学会参加等に充当していく予定である.
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