2023 Fiscal Year Annual Research Report
カテゴリ変数を伴う臨床研究における新たな解析法およびデザインの開発
Project/Area Number |
21K11790
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 紘司 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10548176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カテゴリカル変数 / co-primary / micro-averaged / macro-averaged |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,1~2年目に行った研究テーマである「3値以上のカテゴリ変数をアウトカムとする場合の複数の判別法間の性能比較に対する解析手法」について,論文投稿を行い採択に至った.この研究では,皮膚の悪性/良性腫瘍全6タイプを機械学習法により判別する方法と熟練医による判別とで性能評価を行うという臨床研究が研究動機であり,当該論文では6カテゴリを2値化することで従来の感度や特異度等を用いて診断能を比較していたが,6カテゴリすべての情報を2値化することなくそのまま使用して評価できないかという観点から,多値分類問題における判別性能指標を定式化し,この指標の標本分布を漸近的に導出し,その性能評価を行った.多くの場合でサンプルサイズが200~300程度あれば信頼区間の信頼度はほぼ名目水準に達することが示された.また,本研究での提案指標を実際の研究で広く使用してもらうため,Rによるプログラムコードも論文内に掲載した. 2つ目の研究テーマである「2値変数を含む複数の主要評価変数をもとにしたフレキシブルな治療候補選択デザイン」に関しては,エンドポイントとして,有効性および安全性のどちらも2値変数である状況を想定し,どのような状況であればどんな意思決定を下すかのdecision ruleを定め,それに従った定式化を行い,正確確率計算を行った.この計算はサンプルサイズ50程度でも計算に非常に時間がかかるため,当該確率算出のための近似計算法を提案し,その性能評価も行った.その結果,サンプルサイズが20~30例程度あれば近似精度は十分であることがわかり,実用上は近似計算に基づくデザイン設計で問題ないと考えられた.この提案法についても,実地の場で広く使用していただけるようにRによるアプリケーション開発を行った.本テーマの成果は現在論文投稿中である.
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