2023 Fiscal Year Research-status Report
分散協調学習の重要度判定に基づく被災者指向型災害情報炊き出しシステムの開発
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21K11851
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
重安 哲也 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (90352046)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 被災時情報伝達 / AoI(Age Of Information) / DTN |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,被災情報収集を行うシステムの情報収集能力の向上について検討を行った.具体的には,災害発生時に被災地の被災者により現地の情報を収集する際に,情報の内容の違いに着目した転送を行うことで効果的に情報収集能力を向上することを検討した. 災害発生時に収集を行う情報には,負傷した被災者のバイタルデータなどのように時間の経過とともに状態が変化するものや,そうではなく,あまり時間の経過に影響を受けない情報などに大別できる.そのような状況では,前者に分類されるデータを情報の変化からできるだけ短時間で転送を行うことで,災害救援を担当する受信者側にとって非常に価値のある情報配信となる.例えば,急激に症状が悪化することバイタルデータから即座に把握できれば,迅速な救助活動の開始に繋げることができる.そこで,本年度は,転送対象となった情報の価値をAoI(AgeOfInformation)によって定量的に把握すること,また,AoIを向上するように時間の経過に影響を受ける情報の転送の優先度を変更する転送アルゴリズムを開発した.開発した転送アルゴリズムは計算機シミュレーションによって評価を行い,これまでのAoIを考慮しない従来型の転送アルゴリズムに比べて,情報のカテゴリに応じた適切なAoI向上効果が得られることを確認した. 開発を行った転送アルゴリズムは,情報ネットワークに関する研究テーマを取り扱う学会の支部大会,全国大会,研究会をはじめ,韓国で開催された国際会議などで発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,情報の内容に応じた適切な転送優先度の設定に基づいた転送アルゴリズムの開発が進んでおり,研究成果も,国際会議をはじめ複数の学会において発表しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,情報の内容に応じた適切な優先度の設定を用いる転送アルゴリズムを開発した.開発したアルゴリズムは比較的シンプルなネットワークモデルで評価を行ってきた. 今後は,より,複雑な被災地構成を考えた評価や,実際の市街地モデルを適用した性能評価を行っていきたい.
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Causes of Carryover |
今年度の研究活動では,実際の被災地地図を用いたシミュレーションを事前度に回すことで,より,AoIを考慮した性能評価や転送アルゴリズムの完成度向上を優先した.そのため,計算機シミュレーションに使用するPCに必要とされるメモリスペックが低くでも可能であったため,PC購入費用等が低くなった.
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