2021 Fiscal Year Research-status Report
Delicate and flexible support by humans to remote robots with force feedback
Project/Area Number |
21K11865
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石橋 豊 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40252308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 孝典 長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 教授 (10345952)
黄 平国 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (60713154)
大西 仁 放送大学, 教養学部, 教授 (40280549)
奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (20204125)
渡邉 均 東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (20439920)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 遠隔ロボット支援 / 力覚フィードバック / QoS制御 / 安定化制御 / AI技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
一人の利用者が触覚デバイスを用いて、力覚センサを有する遠隔の産業用ロボットの動作をビデオで見ながら、そのロボットアームを操作するシステムを一つ用いて、人と一緒に一つの物体を運ぶ作業と、二つのシステムを用いてロボットアーム間で物体を運ぶ作業を扱った。そして、物体に加わる力やロボットの位置情報などを測定して、人とロボットの比較を行った。その結果、人の方が柔軟で繊細であることが定量的に明らかとなった。これを改善し、物体の長さや太さなどに応じて物体に加わる力を軽減するため、AI技術としてニューラルネットワークを用いたが、実験によって処理時間が約60msかかることが明らかとなった。そこで、高性能なワークステーションを購入するとともに、ニューラルネットワーク処理の高速化プログラムを開発した。これによって、従来の速度から、60倍程度の高速化を達成した。 また、二つのシステムを使用する場合には、二人の利用者間の協調のため、触覚デバイスの操作性を向上する粘弾性の適応制御を実装して、その効果を確認した。この制御は、ネットワーク遅延や触覚デバイスの操作速度に応じて、粘弾性係数を動的に変更するものである。さらに、ロボット間の協調のために、時空間同期を実現する適応型Δ因果順序制御を適用し、その有効性を示した。これらによって、利用者-ロボット間だけでなく、ロボット間、利用者間の協調の高品質化・高安定化を図ることができた。この他、触覚デバイスに力覚センサを付与して、更なる安定化を実現する研究を新たに開始した。 さらに、移動ロボットを考慮した研究を開始した。凸凹した道を移動しながら、協調作業を行えるように、急激な位置変化に対して、力覚センサの値を利用して自動的にロボットアームの位置を変更する制御を拡張した。この拡張では、距離と時間に関する公式と運動方程式を利用してロボットアームの位置を調整するようにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AI技術を適用してロボットの動作を人以上に柔軟かつ繊細化する研究の準備ができた段階であるため、この研究の進捗がやや遅れていることになる。これは。ニューラルネットワーク処理の高速化に時間を要したためである。しかし、2022年度に研究を開始する予定であった移動ロボットを考慮した研究を開始し、力覚センサの値を利用して自動的にロボットアームの位置を変更する制御を拡張することができたので、大きな進展が得られた。 システムの安定化制御に関しては、ロボット間で時空間同期を行う制御(適応型Δ因果順序制御)、利用者-ロボット間でフィルタを用いた安定化制御、利用者間で粘弾性の適応制御を行うことで、ネットワーク遅延に対する安定化を大きく改善することができた。また、触覚デバイスに力覚センサを新たに付与して、マルチラテラル制御の安定化を目指す研究を開始した。したがって、全体的に見れば、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
AI技術によってロボットの動作を人以上に柔軟かつ繊細化する研究の準備ができたので、この研究を加速するため、研究分担者の大西と奥田の協力を得て、彼らが有する強化学習と機械学習の技術を研究に利用する。また、三好とは、触覚デバイスに力覚センサを付与してマルチラテラル制御の更なる安定化を図る。さらに、黄や渡邉とも日頃の連絡をさらに蜜に行い、多くの研究成果が得られるように工夫していく予定である。
|
Causes of Carryover |
(理由)学会参加について別の予算から充当するなど、旅費・参加費の支出が想定よりも減少したため。 (使用計画)おもに今までに得られた成果の発表のための費用(旅費、参加費、投稿費)に利用する予定である。
|
Research Products
(37 results)