2023 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブな社会形成を促すインタラクティブメディアと体験デザインの開発
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21K12201
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
望月 茂徳 立命館大学, 映像学部, 教授 (00454504)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インタラクティブメディア / 障害者芸術支援 / インクルーシブデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においては、過年度よりインクルーシブなテクノロジーデザイン開発と障害のある芸術家コミュニティの支援について共同研究を進めてきている実績のあるRMIT大学の共同研究者らとの国際的な共同研究を行った。具体的には、これまでオンラインで行なってきた映像ツールの開発を対面でレビューすることに加えて、コロナ禍からの制限撤廃による対面のメリットを活かし、RMIT大学および障害者芸術支援団体JoltArtのメンバーと対面でのワークショップおよび舞台パフォーマンスの実施を行った。具体的には、2023年9月にスタジオノア 恵比寿におけるXR(AR/VR)技術とHAGOROMO作品に関わるワークショップ、およびBankArtStaion 横浜ならびにUrbanGuild京都で舞台パフォーマンスを実施し、これらの成果を踏まえ、国際学会への学術論文投稿を行い、国際学会The International Symposium on Electronic Art (ISEA) 2024(2024年6月オーストラリアブリズベン開催予定)における論文採択となった。 また、国内の協力団体のもと障害児の社会参画やコミュニティ形成のための「身体的バリア」や「意識のバリア」を緩和するデジタル遊具の開発を行った。この成果は、国内学会であるインタラクション2024(2024年3月東京開催)において学術発表された。 また、障害に関連して、小児が医療的ケアについて理解し、ケアに対する不安やストレスの緩和を行うことで包摂的な社会形成に寄与する可能性についても検討を行い、小児が困難を克服することを学ぶためのインタラクティブメディアの開発を行った。この成果は、国際学会SIGGRAPH Asia 2023(2023年12月オーストラリアシドニー開催)にて学術論文が採択され、発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
継続的な研究計画を実行できており、過年度までの新型コロナウィルス感染症拡大による制限による影響はあるものの、制限緩和を受けて概ね順調に研究を進めている状況と言える。共同研究者や協力団体との調査を進めることができており、対面での活動の再開を本格的に行うことができたため、学術発表や一般に向けた成果展示や発表も行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方としては、令和6年度においては、過年度よりインクルーシブなテクノロジーデザイン開発と障害のある芸術家コミュニティの支援について共同研究を進めてきている実績のあるRMIT大学の共同研究者らとの国際的な共同研究を進めていくことを主な柱とする。具体的な目標としては、昨年度末に採択された国際学会The International Symposium on Electronic Art (ISEA) 2024(2024年6月オーストラリアブリズベン開催予定)での学術発表を行い、専門家からのフィードバックを受けることでより研究の発展を行うことがあげられる。また、国内における協力団体とのフィールドワークを継続的に行い、創造的なインタラクティブメディアと体験デザインの開発とその検証を行うこととする。
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Causes of Carryover |
これまでに採択されていた科学研究費の別の研究課題が新型コロナウイルス感染症の拡大により、もともと大きな影響を受けていたため令和2年度末において延長申請を行わざるを得ず、そちらにエフォートを割かれたことなどの影響がこれまでにあったが、令和5年度においては世界的な制限緩和による研究活動を進めることができた。その成果の一つして令和6年度に開催される国際学会にすでに採択が決定し、ここで学術発表することによる専門家からのフィードバックを得ることで研究の目的をより精緻に達成することが見込まれるため、次年度使用が生じることとなった。
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